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進学費用どうする? 奨学金制度のウラ事情【前編】
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進学費用どうする? 奨学金制度のウラ事情【前編】

大学入試シーズン真っ盛り。受験生を抱えるご家庭では独特の緊張感が漂っているであろうこの季節。親には親の苦労があります。そう、先立つものが無い…。

収入が頭打ちなのに教育費は増えるばかり。貯蓄や家計やりくりだけでは追いつかないケースが増えています! 奨学金利用者も年々増え、2010年には、大学学部(昼間部)学生の5割強が何らかの奨学金制度を利用しています(※)。

 

■借りるときに注意したいこと

奨学金というと、日本学生支援機構(JASSO、旧「日本育英会」)による貸与型奨学金をイメージする人が多いと思います。JASSOでは無利息(第一種)と有利子(第二種)の奨学金がありますが、最近では親の所得制限も緩和され、また貸与金利も1%台前半(第二種奨学金、固定利率方式の場合・H24年度)と低いので、借りやすいのかもしれませんね。
ただ、借金には違いありません。貸与型は次の点からその利用には十分な検討が必要です。

1.契約者が学生本人となるため、延滞は学生自身の信用情報のキズとなる
2.卒業後返済が長く続くため、雇用状況によっては家計破綻リスクがある

特に注意したいのは1の項目です。親が安易に奨学金手続きを進めてしまうと、子は“自分の借金”という認識が持てません。その結果、延滞によるデメリット(「クレジットカードが作れない」「住宅ローン審査に落ちる」等)を知らずに、支払いを先延ばしにしかねません。あっという間に「ブラックリスト入り」です。親を連帯保証人にしている場合、さらに滞納が続くと親が残債を一括で支払う羽目に…。「ついうっかり」では済まされないことに!

 

■奨学金も繰り上げ返済できるけど、手元資金は大丈夫?

きちんと奨学金を返済している方にも、悩ましいことがあります。

たとえば、無事就職して2年目を迎えたA子さんのケース。「ボーナスも満額出るようになったことだし奨学金の繰り上げ返済をしようかな」というご相談を先日いただきました。奨学金返済を優先した方がよいか、貯蓄を増やした方がよいか、迷っています。

お気持ちはよく分かります、分かるんですが…。
“一日でも早く返したい”という一心で無理な繰り上げ返済をした結果、貯蓄できないままでいると、どうなるでしょう。勤務先の倒産や転職による収入ダウン等が発生した場合、簡単に暮らしが立ちゆかなくなります。そうならないように、余裕を持った繰り上げ返済の実行、不測の事態に備える手元資金作りを私はオススメしています。

A子さんの現在の貯蓄残高は、毎月の生活費に換算するとおよそ2ヶ月半ほどでした。
そこで自己都合による退職の場合は給付制限があり失業手当(基本手当)はすぐにはもらえない、というたとえ話をしたところ、手元資金の重要性について、すぐご理解されたようです。

 

■進学費用は、借りるより「もらいたい」!

少子化が進む昨今、優秀な学生達を囲い込みたいという想いを強くしている大学が増えています。最近は、自大学生を対象とした独自の“給付型”奨学金制度を設けることで、進学のしやすさをアピールしている大学もあります。せっかくなら、進学費用を借りるより、奨学金として費用をもらえるところを選ぶという手も。その方が、親も子も大助かりですよね!

そこで後編では、大学独自の給付型奨学金制度に迫りたいと思います。

 

【参考】

※独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)「7.奨学金の需給状況/学生生活調査(2010年実施)」

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