前編では、出産の高齢化に伴う産後ママたちの社会事情と、小雪が利用して話題になった韓国の産後調理院についてご紹介しました。後編では、海外と日本の事例をご紹介したいと思います。

 

■世界各国の産後ケアサービス

産後ケアサービスは、世界各国で広く一般に利用されています。
シンガポールでは、出産後1ヶ月にわたり、ママと赤ちゃんをケアする「産褥アマ(confinement nanny)」という女性がいます。住込みと訪問の2つのパターンがあり、ブラックチキン等の滋養高い料理や、クコの実・生姜を使った体を温めるスープなど、中国文化に根付いた産褥料理をつくります。さらに新生児のお世話や新ママへのコーチング、要望により家事等も行ってくれます。周辺国からも多くの産褥アマさんが職を求めシンガポールに訪れるため、出身国により価格やサービスも様々な選択肢がありますが、おおよそ10万円~20万円ぐらいで受けることができます。

オランダには、出産と産後の母体・新生児に関する基本的な生理・解剖の知識とケアの方法を学んでいる「クラームゾルフ(Kraamverzorging)」がいます。彼女たちの主な役割は、自宅分娩やお産ホテル・病院での出産の際の助産師のアシスタントと産後毎日の家庭訪問。その他、希望に応じて家事などもやってくれます。オランダの場合、これらのサービスが出産のスタンダードケアに組み込まれているため、医療保険が適用され、費用の自己負担がほとんどありません。

欧米では「ドゥーラ(doula)」と呼ばれる有資格の女性が、クラームゾルフ同様のサービスを提供してくれます。

このように海外では一般的にある産後ケアサービス、実は日本でも同じような施設やサービスがあるんです。

 

■日本の産後ケアサービス

日本の産後ケアサービス業界で有名なのは、生後4か月未満の赤ちゃんを対象としている東京・世田谷にある「産後ケアセンター桜新町」。ここでは、赤ちゃんのお世話はもちろんのこと、産褥料理やエステなども用意されています。ここの魅力はデイ入院もできること。ちょっと休息が必要だなと感じたら、赤ちゃんをみてもらいながら、自分の体を癒すことができ、ママ友どうしの交流もあるそうです。

「世田谷はちょっと遠いな…」という方には、派遣型の産褥ケア専門ナニーがいます。
最近では、「一般社団法人ドゥーラ協会」がドゥーラ―の育成・派遣を始めました。他にも民間・NPOなどで産褥ナニーを育成・派遣している機関があります。
しかし、まだまだ日本では制度が未発達ですので、育成機関の信頼度や実際にケアをしてくれる方との面談を重ね、本当にこの方に産後の身を委ねたいという方を見つけることが大事だと思います。

 

上手にこのようなサービスを利用することで、一生に数回しかない素晴らしい出産育児という経験を慈しみ、ゆったりとした気持ちですごすことができることでしょう。

産院を退院した後の過ごし方にも様々な選択肢があります。あなたなりの過ごし方を、ぜひ見つけてみてくださいね。

 

【関連記事】

※「もう実家に頼れない!? 産院退院後の新事情【前編】

【参考】

産後ケアセンター桜新町

一般社団法人ドゥーラ協会