女性管理職を増やす政府方針(※1)に後押しされ、この春から管理職やリーダーに抜擢された女性も少なくないのでは? しかし、リーダー的なポジションに就いた方のなかには、思うように組織を牽引できない、成果がでない……という事態に直面し、自分はリーダーには向いていないと悩むケースがあるようです。
マッキンゼーの採用を務めた伊賀泰代氏の著書『採用基準』(※2)に、リーダーシップのヒントがありました。

 

■ リーダーシップに関する3つの誤解

本書によれば、日本のリーダーが悩む一因として「リーダーシップへの誤解」があるそうです。私自身も「リーダーに向いていない」と悩んだひとり。この誤解を知ることが、リーダーシップの大きなヒントになります。

 

1.リーダーシップは素質や才能だという誤解

例えば米国のビジネススクールには「リーダーシップ」という科目があります。リーダーシップは生来の素質や才能ではなく、習得していくもの。ですから、うまく組織を牽引して成果を出せなかったとしても、「リーダーに向いていない」のではなく、単に「リーダー経験の不足」と考えるべきなのです。

2.リーダーは組織に一人でいいという誤解

こんなシーンを考えてみてください。成果追求の戦略立案や意思決定はリーダーの仕事だから自分には関係ない、と考えているチーム。リーダーは、会議も役割分担も成果追求も、やりにくくて当然です。一方で、全員が「自分がリーダーだったら?」「成果を出すには?」と考えるチームなら、積極的に行動しリーダーを支援するのではないでしょうか。伊賀氏は「リーダーシップは全員に必要」と明言しています。

3.カリスマリーダーという誤解

「リーダーシップは全員に必要」とはいえ、自分には無理……。本当にそうでしょうか? スティーブ・ジョブスや孫正義のようなカリスマリーダーを目指さなくてもいいのです。
伊賀氏は本書の中で、次のように述べています。

日本に足りていないのは、一人ですべてを変革できるカリスマリーダーではなく、あらゆる分野で働く、名もない数多くのリーダーだ

日本には、リーダーシップの総量が足りていない――。だから、一部のリーダーだけに負担がかかり、辛くなってしまうのです。

 

リーダーを苦しめる“誤解”が分かっても、日本のビジネス環境はすぐには変わりません。リーダーとして悩むこともあるでしょう。でも、決して「自分はリーダーに向いていない」と悲観しないでください。リーダーシップは学んでいくものなのだから!

 

【参考】

※1)平成17年閣議決定「男女共同参画基本計画」PDF

※2)伊賀泰代(2012)『採用基準』ダイヤモンド社

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