世界一の晩産国、日本。いま、妊婦の4人に1人が高齢出産(※1)で赤ちゃんを産んでいます。晩婚化が進むと当然、初産年齢も高くなるため、不妊のリスクも高くなります。

 

■ 体外受精の年間件数21万件、世界最多

不妊の検査や治療を受けた夫婦は6組に1組。不妊治療を希望してクリニックを訪れる患者の半分以上は35歳ということから、晩産化の深刻さをうかがえます。子どもを授かるための最後の砦である体外受精の年間件数は、2012年の1年間で21万件におよび、5年前の倍になっています。

■ 妊娠力の低下

NHKのアンケート調査によると、35歳以上の不妊治療患者で「体外受精をすれば45歳位までは妊娠可能」と考えている人が53%もいたそうです。ところが実際には、不妊治療で赤ちゃんを授かる割合は36歳ごろから急に下がり、40歳ではたったの8%になることが、厚労省の調査で分かっています(※2)。

■ さまざまな後悔「こんなはずじゃなかった!」

最近メディアなどでもよく耳にするようになった「卵子の老化」。妊娠力の低下は卵子の老化の影響がとても大きいです。私たちの体の中で毎日少しずつ卵子が減っていくからです。「検査をしてみたら在庫がほとんどなかった」。私が以前取材させていただいた方の中にもこのような経験をされた方がおり、34歳ではじめて体外受精での不妊治療をスタートさせていました。

「こんなはずじゃなかった!」という思いはまた経済的な負担も同様です。国からの助成はありますが、世帯年収制限や回数制限があり治療者全員が助成を受けられるわけではありません。さらに、助成対象であっても1回につき最大15万円と少なく、かなりの治療費を自己負担で賄わなければなりません。

■ 「知らなかったからできなかった」がなくなる世の中に

厚生労働省の有識者検討会は今月2日、現在の不妊治療助成に年齢制限を設けることなどの検討をスタートさせました。先日同省の研究班がまとめた「医学的有効性、安全性の観点から助成は39歳以下とするのが望ましい」との見解に注目が集まっているだけに、多数のメディアが注目していました。会議を傍聴した私も、この問題への社会的感心の高さを改めて肌で実感しました。

検討会では、「日本では年齢が上がると妊娠が難しいことを知らない人が多い」とのデータが紹介され、「若い人に助成を手厚くするなどの方法も考えるべきだ」などの意見も。

私は、「若いうちに安心して産める社会づくり」と「ネガティブな印象の性教育の排除」と、「正しくポジティブな妊娠教育」が必要だと思います。これからの世代が自らの将来設計を考えるなかで、妊娠・出産について当たり前のように考える風土づくりが必要ではないでしょうか。

 

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【参考】

(※1)厚生労働省「平成22、23年度「出生に関する統計」の概況、人口動態統計特殊報告」
(※2)国立成育医療研究センター調べ
NHK 「不妊社会」
「不妊治療助成「39歳以下」に制限検討 厚労省有識者会議」