ポジティブなら、なんでもうまくいく! というお話をよく耳にします。
確かに、前向きで積極的な態度で過ごすことはとても大切。でも、人間いつでも明るく前向きになんてできるの? と疑問に思う人もいるのではないでしょうか。

今日は、心のちょうどいいバランスについてお伝えします!

 

■ ネガティブな心も大事な防衛機能

感情研究の歴史をのぞいてみると、太古の時代、生死を分ける状況は日常茶飯事で、危険(例えばライオンに出会った時)から逃れるためには、「恐れ」を感じた瞬間、逃げなければ命がありませんでした。怒りを感じたら攻撃し、憎悪を感じたら避けるといった具合に、ネガティブな感情から引き起こされる行動で、人類は命を防衛してきたのです。

 

■ 「いい気分」は人生においてどんな役に立つのか?

危険から身を守るためにネガティブな感情が備わっているのであれば、ポジティブな感情=喜び、感謝、安らぎ、愛などの気持ちは何の役にたつのでしょうか?
その効果を27万人のデータから解き明かした心理学者がいます。バーバラ・フレドリクソン氏が2009年に発表した「POSITIVITY」は、翌年日本でも『ポジティブな人だけがうまくい3:1の法則』という訳本として出版されました。この本では、ポジティブな感情を多く示す人は、人生に成功し、長生きするという興味深い結論を導いています。

 

■ 100%ポジティブな人はいない

どんなに辛い状況でも無理やりポジティブに捉え続けたら、それは現実離れした妄想になるでしょう。悲しい、悔しいといったネガティブな感情を無視することは、人間的な部分を否定することにもなります。
そこで、バーバラ氏が研究の結果として得た”ポジティブとネガティブのちょうどいいバランス”は「3:1」。なにか辛いネガティブな感情を経験したら、そこから自分を引き上げるにはポジティブな感情を少なくとも3回経験すると上昇に向け”転換”できるそうです!

 

■ 作り笑顔は禁物!?

ポジティブな感情を増やすには、威勢のいい言葉を唱えたり、しょっちゅう笑顔を作ったりすれば良いかというとそうでもないようです。実は人間には非常に精密な「偽善検知装置」が備わっており、「心から」ではない言葉や態度は自分のも他人のもすぐ見抜いてしまいます。本当に楽しんでいる自分をできるだけたくさん作れるよう、身の回りの小さな幸せにも感謝する気持ちを持つと良いかもしれません。なんと、怒ったり、いらだったりばかりしている人は病気になる確率も高いというデータもあるそうなので、ネガティブ1回にポジティブ3回をこころがけ、心もカラダも元気に過ごしましょう!

[執筆:藤崎 葉子(キャリア アドバイザー)]

 

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【参考】

バーバラ・フレドリクソン(2006)『ポジティブな人だけがうまくいく3:1の法則』日本実業出版社