フルタイムで働きながら子育てをする…。大変なことにも関わらず、なぜワーキングマザーは頑張れるのでしょうか? 家族のため、お金のためでもない!? 最新のモチベーションの研究から、この素朴な疑問に答えます!

 

■ワーママを見るとムカつく!?

最近、働き方について、若い女性にヒアリングを行った際に言われた意外な一言。「早朝から起きて、仕事をフルタイムで頑張って、家事育児をしているワーキングマザーを見るとなんかムカつく」というのです。以前はよく、ワーママは「大変過ぎて痛々しい」とか「ああはなりたくない」などというコメントを聞いたものですが「ムカつく」はなんだか新しい気がします。私はこの言葉が腑に落ちずに、ヒアリングからずっと心にひっかかっていました。

 

■働くことも「我欲」?

職場では、なにかと疎まれるワーママですが、母親業の世界でも「子育てに専念していない人」として肩身は狭いのです。私が育休中に参加した、ある母親向けの子育てセミナーでは、「良い子育てをするには、理想は10歳ごろまで、少なくとも就学前の6歳くらいまでは、母親は子育てに専念するべき」と言われ、椅子から落ちそうになりました。

まだ子どもが幼いのに着飾って職場へ行き、生活できないわけではないのにお金を稼ぐ…。仕事とはいえ子育てを優先しないのは欲深い行動=我欲だと。そう言われてしまうと立つ瀬もありません。私は「我欲」という言葉も、いまいちしっくりきませんでした。

 

■新しいモチベーションの発見

では、なぜワーママはそこまで大変な思いをして働くのでしょうか? 以前、私の開催したセミナーのなかで、ワーママ歴10年以上のベテランお二人にこの質問をする機会がありました。お二人いわく、「なぜって、当たり前だから。人として働くことも子育てすることも当然過ぎて、それ以外に理由はない。強いて言えば両方楽しいから」とのこと。私もこの言葉には何の違和感もなく非常に納得!

実は最新のモチベーション研究の世界では、人は金銭的・物質的な報酬よりも「高度な課題を克服する楽しさ」や「創造性を感じ、社会や仲間に貢献する楽しさ」が勝ることがわかってきています(※1)。これは動物実験でも証明され、生き物に共通の”快”なのだそうです。

 

■純粋に仕事を楽しむ姿勢

昨年より連載の始まった東洋経済オンラインの「ワーキングマザー・サバイバル」というコラムには、子育てしながらも精力的に仕事をこなすワーママが多数紹介されています(※2)。彼女たちのコメントの中にもよく出てくるのが「仕事が楽しい」という言葉。若い女性たちがついムカついてしまうのは、ワーママ達が仕事を楽しんでイキイキしているからではないでしょうか?

純粋に仕事を楽しむ、これがワーママが頑張れる理由。貴重な時間だからこそ、それが際立つのでしょう。

[執筆:藤崎 葉子(キャリア アドバイザー)]

 

【参考】

※1. ダニエル・ピンク, 大前研一(翻訳)(2010)『モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか』講談社
※2. 佐藤留美「ワーキングマザー・サバイバル」東洋経済オンライン