最近の調査結果によると、転職する際、正規職員から非正規雇用に形態が変わる割合が4割を超えたそうです(※)。転職事情はまだまだ厳しい状況です。転職においてご自身の思い描いたキャリアプランをいかに実現するかはもちろん大切です。でも、収入によってその後の暮らしぶりが大きく変わることを踏まえ、経済的な見通しを立て、後悔のないよう準備しておきたいもの。

以下の3つは転ばぬ先の杖として、最低限クリアしておきましょう。

 

■ 失業給付を受けるまでの蓄えはOK?

雇用保険に入っている方が「自己都合」で退職すると、失業給付はすぐ受けられないのをご存じですか? 待機期間の7日間に加え給付を受けるまで約3ヶ月間は無収入状態となります。それまでに採用が決まればいいですが、やはり最悪ケースを想定しておきましょう。

家賃や光熱費、食費などの基本生活費のみならず、転職活動にかかる経費、例えばスーツ代や面接地までの交通費など案外お金がかかります。緊急予備資金も含め、少なくとも現在の手取り収入の半年分の貯蓄を準備しておきたいです。

また、そもそもの退職事由が、病気やけが、妊娠、出産・育児などの理由ですぐに働けない方は、受給期間の延長の手続きだけは行っておきましょう。雇用保険の受給期間(有効期限)は離職してから一年と限られており、何もしないままにしておくと、いざ転職活動をはじめるときに受給期間が切れ、失業給付を1円ももらえない、なんて事態を避けることができます。

 

■ 健康保険の手続きはOK

退職直後の病気やケガに備えて健康保険を切れ目無く、スムーズに切り替えるには、退職前に下調べが必要になります。お住まいの市町村で国民健康保険保険料を調べてもらい、引き続き職場の健康保険に加入(任意継続)する場合とどちらが安いか検討しておきましょう! 特に任意継続制度を利用する場合は、加入後も注意が必要です。毎月の納付期限を厳守しないと、直ちに資格喪失につながります。

 

■ 国民年金の手続きはOK?

健康保険に比べるとつい優先順位が低くなりがちな国民年金の手続きですが、放置することで、老後だけでなく、明日からの暮らしに響く大きなリスクを抱えることをご存じでしょうか? 手続きをしないまま、あるいは滞納したままで、ある日、病気やけがなどでご自身が一定の障害者となってしまったらどうしますか? 働けなくなる上に、本来は障害が続く限り受給できる障害者年金がもらえなくなってしまいます。そうならないためにも、早めの手続き完了を心がけてくださいね。

 

退職後は仕事を探すのに忙しく、また日を追う毎に、精神的なゆとりも失いがちです。転職環境が好転する兆しが見えてこない昨今、退職前にしっかり準備し、自分に合った仕事をじっくり選べる環境を整えましょう!

[執筆:海老原 政子(ファイナンシャルプランナー) ]

 

【参考】
※平成24年就業構造基本調査(総務省)によると、過去5年間の転職就業者において、正規から非正規となった割合は40.3%(H19調査では36.6%)