「私自身は働きたいし、働いたほうが家計にも良いけれど、子どもに寂しい思いをさせたくない。このまま働き続けるかどうか悩んでいます」というご相談を受けることがあります。寂しい思いが子どもの成長にマイナスでは? と気にする親心ですね。

 

■ ワーキングマザーの場合、子どもは不登校になりやすいの?

労働政策研究専門機関の調査(※1)によれば、無職の母親に比べて、有職の母親の子どもが不登校になる確率は低いのだとか。その理由は推察するしかないのですが、頑張る親の背中を見て子どもは育つのだろう、子どもにべったりではなく適度な距離を保てることが互いに良いのだろう、などと考えられます。悩んでいるワーキングマザーは、まずは安心して仕事を続けてみては。

ちなみに筆者の友人(40代派遣社員、事務職)のお子さんは3年生の女の子。学童保育終了後の約1時間、最近では一人で留守番できるようになったそうです。

 

■ 男は仕事、女は仕事と家庭?!

ところで、ワーキングファーザーの子どもは不登校になりやすいか? という調査や、ワーキングファーザーを略した「ワーパパ」という言葉自体も聞いたことがありませんね。その発想または調査ニーズがない状況は、「男は仕事、女は家庭」という考え方が発端かもしれません。

ワーキングマザーの母親は右肩上がりの経済成長期に結婚し、現在60歳前後でしょうか。当時は、高度経済成長を果たすために男女役割分担が適していた時代。妻が専業主婦や一定収入内のパートタイム労働者でいるほうが、世帯収入の面でメリットがある仕組みが確立されました。

平成21年の調査(※2)によれば、女性の就業について「子どもができても、ずっと職業を続けるほうがよい」と考える女性の割合は、30代で47%、60代で45.4%。他の世代は52%超なので、親の考え方を受け継いでいるとも考えられます。

 

この20数年で社会構造が大きく変わり、男性の収入だけで家庭を維持することは難しくなりました。育児と仕事の両立について悩むのは女性中心という考え方を変えることに、夫婦でより支え合うヒントがありそうです。

[執筆:五十嵐 ゆき(キャリアコンサルタント)]

 

【参考】

※1.  独立行政法人労働政策研究・研修機構「子育てと仕事の狭間にいる女性たち」(2013年7月1日発表)PDF
※2.  内閣府「男女共同参画社会に関する世論調査」(平成21年10月調査)