ここ数年、「日本のモノづくり」の危機が叫ばれています。科学技術では最先端を走っているはずの日本が、最終商品づくりやその展開戦略で海外企業に敗北する例は数えきれないほどですよね。この危機的状況の救世主として、まさに理系女性(リケジョ)の出番だと私は思っています。歴史も眺めながら、ちょっと考えてみましょう。

 

■ 科学技術で最先端の成果を上げた日本が

最先端の技術を活かしきれなかった例が、野中郁次郎の著書『失敗の本質-戦場のリーダーシップ篇』にも出てきます。

大東亜戦争の時代、東北帝国大学工学部の八木秀次教授は電波の指向性通信を可能にするアンテナを発明。イギリスとアメリカは、いち早くレーダー用アンテナの実戦配備に成功し、これを“Yagi Antenna”と命名していたそうです。日本では、八木教授の提言の16年後、イギリス軍の陣地から押収した文書の記載を発見し、この技術が敵国で新兵器として実戦配備されていることに気づいて驚愕したと記されています。

 

■ 敗北の原因――目利きの不在

戦争の敗北の原因は、「物量の差や科学技術力の差」ではなく「目利きのできないトップが、イノベーションの目を摘み取ってしまった」から、だとも書かれています。

優れた技術を、優れたものと理解し、実用まで育て上げることの大切さ。最先端の研究実績を上げることと同様に、大切なことだと考えます。

 

■モノをコトへ――リケジョの出番?

消費の8割を占めるとも言われる女性の決断。技術を理解しつつ、それをどんな風に生活に取り込んで行くか、その視点を磨きたいものです。

「こんなところに応用できるかも」「こんな使い方できるんじゃないかな?」といった豊かな発想は、日々の生活に立てるアンテナの高さ・感度ともつながります。技術に息を吹き込み、色づけし、育てるのは、女性の得意とするところ。誰もが女性のそんなチカラを認める世の中にしていけたらいいですよね。

まずは、技術の分かる・技術を育てられる目利き人材として、自分を磨いてみませんか?

[執筆:永合 由美子 (理系キャリア・コーチ)]

 

【参考】

※ 野中郁次郎(2012)『失敗の本質 戦場のリーダーシップ篇』ダイヤモンド社