ある神経精神医によると、女性の一生はホルモンに支配されているといいます。

胎児のころから女性ホルモンを浴び、言語能力、感情表現を獲得し、言葉によって人間関係を良好に保とうとします。成人して結婚すると、新生児の匂いを嗅ぐだけで、赤ちゃんを産みたい衝動に駆られ、妊娠すると大量のオキシトシンの影響で脳内の母性回路が活発化。生まれてくる赤ちゃんに細かな注意を払い、慈愛するようになります。赤ちゃんに専念するあまり、他の事には注意散漫になり、仕事をしている女性はこの時期から精神的に厳しい状況に。出産直後から、女性は自分の赤ちゃんの匂いを嗅ぎ分け、遠くにいても泣き声を聞ける能力を身につけます。子育てが終わり閉経期に入ると、子育てに必要なホルモンが減少し、次に向かうのは自分自身のこと。これが女性の一生であると。

ワタシ特有の感情がホルモンに支配されているという内容はいささかショッキングでしたが、不可解だった感情の理解につながりました。特に妊娠から出産までの劇的なママの体内変化は、ぜひプレパパにも知ってもらいたいと思います。なぜなら、無邪気にこんな行動をしていないでしょうか?

 

■ プレパパのNG行動3つ

1. お酒やニンニクの「匂い」をさせる、「臭い」の近くに新居をかまえる

妊娠中は匂いに非常に敏感になります。気にならなかったパパの「臭い」が不快でたまらないことも。あるママは、新居が飲食店の真上だったために、毎日漂ってくる香辛料の臭いで体重が15キロ減。あやうく母子共に危険レベルまで達してしまいました。たかだか「臭い」と侮ってはなりません。

2.「君はゆっくりできていいね」は禁句

プレママのストレスレベルは周りが思っている以上に高いのです。「悪阻、だるさに悩まされる」「思うように動けない」「お酒やカフェインも飲めずストレス発散できない」「仕事への情熱が湧かない」など。これまでどおりの自分ではいられずに、一番苦しんでいるのは他ならぬプレママ。決してゆっくりしているのではありません。

3. 体重管理に口を出す

自分のカラダがどんどん変わっていくことに、一番当惑しているのもプレママ自身。

「体重も気になるけど、胎児の為に栄養は摂らなきゃ」「産後、赤ちゃんにべったりで運動ができない」など、思うように体重管理が進まず「体型もどるかしら?」と不安でいっぱい。それをパパから「もう少し痩せる努力したら?」と言われるのはナーバスな問題に土足で踏み込むようなもの。決して怠惰で太ったわけではないのです。

 

■ 妊娠期は夫婦の絆を深めるチャンス!

逆に「パパがしてくれて嬉しかったことは?」と聞くと様々な話が聞かれました。「“もう少しで二人きりの時間は終わりだね”と言って旅行に。嬉しかった」「“赤ちゃんを宿してくれてありがとう”と言ってくれ、妊娠した自分を誇らしく思えた」「育児の勉強や散歩に付き添ってくれる姿に感動」「必死に出産に立ち会ってくれる姿に感動」など。

特徴的なのは「感動」という言葉がよく出現すること。この時期のプレママにはちょっとしたパパの優しさが「ずぅーん」と心に浸みるようです。良くも悪くもプレママの気持ちが繊細な妊娠期。夫婦の絆が強まるのもこの時期です。女性ホルモンを理解して、奥様に優しい言葉をかけてみませんか?

[執筆:マキコ・アサエダ (産後ライフプランナー)]

 

【参考】

ローアン・ブリゼンディーン (2008)『女は人生で三度、生まれ変わる―脳の変化でみる女の一生』草思社