ロイヤルベビー誕生で歓喜に湧くイギリス。その経済効果たるや372億円ともいわれています。その中でも注目したいのが、キャサリン妃が取り入れたことで話題になっている出産法「ヒプノバーシング(催眠出産)」。

催眠ときくと、「眠った状態で出産をするの?」と思うかもしれませんが、そうではなく、催眠療法を応用したメソッドで、自己暗示にかけることにより、出産の痛みや恐怖心から解放されたお産を目指すメソッドのことだそう。これまでも水中出産、ソフロロジー等、様々なメソッドが考案されてきました。そして次は、よりスピリチュアルなヒプノバーシングが今のトレンドのようです。

 

■ 出産方法のトレンド変化

出産はよく「鼻の穴からスイカを出す」とか、「もし男性が出産したら、100人に80人が死亡する」とか言われ、出産未経験者でもその痛みが凄まじかろうという認識は充分。あと数か月後に出産を迎えるプレママにいたっては、その恐怖心たるや心穏やかではありません。この恐怖心自体は昔からあるものですが、欧米では硬膜外麻酔を使った無痛分娩という医療行為で回避するということが一般的でした。しかし麻酔や医療器具の使用に抵抗感のあるプレママが増え、自然分娩への回帰がおき、それと共に陣痛の恐怖心も蘇ったのです。その恐怖心を乗り越えるメソッドがヒプノバーシングというわけです。

とはいえ、まだまだ日本では馴染みが薄いヒプノバーシング。いったいどのような出産法なのでしょう?

 

■ 催眠出産=ヒプノバーシングの特長

ヒプノバーシングでは、妊娠中にクラスに通い、呼吸法やイメージ法を学びます。そこまではソフロロジーと同じですが、より深い潜在意識に働きかけるので、リラックスの深さが違うといいます。オープンになった心にポジティブな暗示をかけ、エンドルフィン(鎮痛作用をもつ脳内物質)放出をイメージすると、痛みを感じなくなるそうです。実際の映像をみると、パートナーが催眠を誘導するためのスクリプトを読みあげると、ママの呼吸が穏やかになり、悲鳴ひとつあげることもなく「え? 今生まれたの?」というタイミングで赤ちゃんをとりあげていました。出産経験者からすると驚きの映像以外の何物でもないのですが、トレーニングにより、かなりの部分をコントロールできるものなのだと思い知らされました。

ヒプノバーシングで産まれた後も赤ちゃんは、新しい環境への適応能力が高く、夜泣きが少なく穏やかであるといわれています。単純にこの出産法だからとは言い切れないと思うのですが、ママが自信に満ち、穏やかに赤ちゃんに接することで、赤ちゃんも安心して穏やかに過ごせるのかもしれません。実際に、母親がリラックスして出産すると、子育てに肯定的で自信がもてるというデータがあり、また別の調査で、赤ちゃんの情緒はママの情緒とリンクしているというデータもあります。

 

出産のキーワードは「リラックス」。出産の恐怖心の乗り越え方には、個々違うでしょう。「パートナーとじっくり話しあって、自分らしいお産スタイルを見つけ、出産という奇跡の瞬間を、味わいつくつくす」出産は赤ちゃんと出会うスタート。よい出会いがその後のよい夫婦・親子関係を築く第一歩です。あなたならどんな出産をしますか?

[執筆:マキコ・アサエダ(産後ライフプランナー)]

 

【参考】
株式会社ベネッセコーポレーション,  ベネッセ次世代育成研究所 『妊娠出産子育て基本調査・フォローアップ調査』(2011年4月)