女性のキャリア継続にとって、一番ネックになるのは結婚や出産といったライフイベントの影響と思われがちですが「会社を辞める」理由は実は違うようです。今回は、働く女性の本当の課題に迫ってみたいと思います。

 

■ 女性が仕事を辞める理由

日本女子大学現代女性キャリア研究所が、2011年に実施した働く女性の意識調査(※1、25~49歳の女性5155人)によれば、子どもがいなくても約8割の女性が新卒で就職した職場を辞めるという結果が出ています。大卒女性にその理由(複数回答)を尋ねると「ほかにやりたい仕事があった」(31%)と「仕事に希望を持てなかった」(29%)が上位に並び、「結婚」(20%)、「妊娠・出産・育児」(9%)を上回ったのです。 筆者も仕事上、働く女性の退職や転職の理由をうかがう機会がありますが、「キャリアへの不安」という理由が多いと感じていたので、この調査結果に非常に納得がいきます。

 

■ 独身時代のキャリア形成を支援すべき

同調査を行った日本女子大学現代女性キャリア研究所・所長の大沢真知子教授は、日経新聞のインタビュー(※2)で、「もちろん出産・子育てとの両立支援も大切だが、独身時代のキャリア形成支援が女性の就業継続には欠かせない」と指摘。筆者は企業での女性のキャリア開発研修に携わっていますが、せっかく女性が総合職で企業に入社しても、サポート的な仕事の比重が高いように感じます。つまり、新人時代から、男性と同じキャリアパスを想定した育成がされていない現実があると思うのです。

 

■ 20代でどれだけチャレンジできるか

女性向けにキャリアの研修を行っていると、「仕事で成長したい」「自己実現をしたい」というキーワードが必ず出てきます。それは将来ライフイベントを迎えても変わらない純粋な気持ちだと思います。もし、結婚や出産といったライフイベントを含むキャリアを楽しみたいなら、20代でどれだけチャレンジし、成長できるかがポイント。30代で子育てにも時間を取ると仮定すれば、それまでに男性より早いスピードで仕事を経験し成長する必要があるということになります。20代で同じ仕事を1年以上やっていたら黄色信号、2年以上なら赤信号と思うくらいでいいのではないでしょうか。キャリアを積みたい若い女性の皆さんは、積極的に周囲にそのことをアピールし経験の幅を広げてみましょう!

[執筆:藤崎 葉子(キャリア アドバイザー)]

 

【参考】
※1:日本女子大学現代女性キャリア研究所 「女性とキャリアに関する調査」PDF(平成24年10月発表)
※2:『日経新聞』「女性就業へキャリア形成支援を – 日本女子大学現代女性キャリア研究所長の大沢真知子教授 」(2013年9月12日)