日本経済新聞の記事(※1)によれば、「カロウシ(過労死)」はもはや国際用語なのだそうです! 痛ましい日本語が国際用語とは、とても悲しいこと。社会全体でワーク・ライフ・バランスを推進する一方で、長時間労働を厭わないどころか良しとさえする長年の組織風土は、そう簡単には変わりません。そうはいっても、一部の企業では、改善に取り組み始めたようです。キャリアコンサルタントの視点を交えてお伝えします。

 

■ 日本の長時間労働は突出している?!

専門機関の調査(*2)によれば、2010年度の日本人の平均年間総実労働時間は1733時間。20年前の2031時間から着実に減っているものの、他の先進諸国に比べると、まだまだ長時間労働といえる日本。たとえば、ワーク・ライフ・バランス先進国のイメージが強いスウェーデンは1624時間、オランダは1377時間。一方、イギリスは1647時間、アメリカ・イタリアは1778時間ですから、日本の長時間労働が突出しているわけでもないようです。

 

残業削減に取り組む企業も

前述の新聞記事によれば、とある企業では早帰りデーをつくり、原則20時以降の残業を禁止に。持ち越した仕事を翌朝の始業前に行うよう徹底するため、始業前の割増賃金を深夜勤務と同じに設定したのだとか。

筆者にも連日22時過ぎまで仕事をしていた時期があるのですが、遅い時間の仕事は、やはり集中力が薄れていたような…。割増料金が深夜でも早朝でも同じなら、早朝に仕事したくなります。ヒトの心理や体力を上手に活用した好例になる予感がします。

制度があっても、例えば、社員が仕事を自宅に持ち帰っているのでは本末転倒。残業をしないに越したことはない職場をつくるのは、私たち働く個々人ですね。私たち自身も、仕事の進め方を見直してみたいものです。「長く働くのが当たり前」そんな考えが職場からなくなり、誰もがワーク・ライフ・バランスを実現できますように!

[執筆:五十嵐 ゆき(キャリアコンサルタント)]

 

【参考】
※1. 日本経済新聞「長時間労働是正へ知恵」2013年9月30日付
※2. 独立行政法人労働政策研究・研修帰国『データブック国際労働比較2012』 「1章 経済・経営、6章 労働時間・労働時間制度」PDF