労働法によって日本では、事業主は3歳未満の子の養育を行う労働者については、勤務時間の短縮等の措置を講じなければなりません。しかしこのような手厚い保護があるのは意外にも日本だけなのです! 今回は海外の総合職女性の実情と比較して、日本女性の出産後の働き方を考えます。

 

■ 総合職女性は子育てで時短しない

海外のダイバーシティ事情に精通し日本でも各種メディアで先進的なご意見を発信されているアパショナータInc.代表パク・スックチャ先生に、最近お話を伺う機会がありました。パク先生によれば海外では「時短勤務」というルールがほとんど無い上、四大卒の総合職として勤務する女性が育休後1年以上も子育てで仕事を休むことはあり得ないとのこと。つまり、「育休・時短勤務による仕事への支障」は日本だけが抱えている課題なのだそうです。

では、海外ではどのように子育てと仕事の両立をしているのでしょうか?

 

■ 家事・育児を担うのは誰か?

女性が家事・育児を担うべき、という価値観が強い日本。しかし、米国ではパートナーとの交渉を対等に行った上で決めるスタンスが強く、アジア諸国では家政婦やシッターを安価で手軽に利用できる環境があり、女性がそれをすべて引き受ける前提が無いのが大きな違いです。日本でも最近は、男性が育児参加を希望するケースも増えているようですが、育休を取ろうとした男性が上司から嫌がらせを受けるハラスメント問題まで持ち上がってしまうありさまです。

 

■ 外国人の家事労働者がやってくる?

日経ビジネスがこの夏特集した記事「女性昇進バブル」(※)では、女性の働き方を開放する救世主はなんとTPPであると仮設を立てていました。日本の現行法では、外国人家事労働者を雇うことはできないが、農業や自動車といった分野だけでなく、国境を越えた労働力の供給についても議論されれば、日本でも安価な家事労働者が雇える可能性が出てくるというもの。育児はともかく家事だけでも他者の力を借りたいと筆者も日々感じるので、この突飛なプランにもすがりたい思いです。

 

家事・育児を女性に期待する価値観が変わるのが早いか、外国人労働者の流入のほうが早いかわかりませんが、女性がキャリア形成に支障をきたさずに子育てできる環境が早く整うことを願います!

[執筆:藤崎 葉子(キャリア アドバイザー)]

 

【参考】
※ 『日経ビジネス』2013年8月26日号「女性昇進バブル」日経BP社