ここ数年、睡眠薬を使用する人が増加傾向にあります。国立精神・神経医療研究センター(東京)が行った2010年の調査では、薬物依存の第1位は覚せい剤(53.1%)ですが、第2位は、睡眠薬・抗不安薬(17.7%)という結果が出ています。

今年2月8日の朝日新聞「記事有論」では、睡眠薬・抗不安薬・精神安定剤などとして処方される「ベンゾジアゼピン(BZ)系」という薬に依存する人の傾向として、女性が多いこと、学歴が高いことが指摘されています。

 

■ 不眠を訴える女性相談者に共通する点は…

私のカウンセリングルームに来られる女性相談者の中でも、30代~50代の働く女性で睡眠薬を服用している割合は、カウンセリングを始めた10年前の頃に比べて確実に増えているといえます。

このような相談者に共通している点は、大学卒など学歴があり、仕事では部下を指導する立場にあること。睡眠薬を処方してもらうのは「眠れないと、仕事に支障が出るから」という理由によるものが見受けられます。

さらに相談者の状態を伺うと、不眠だけでなく、イライラ感、わけもなく涙が出る、急に汗が噴き出す、といった不調を抱えているのです。彼女達は仕事や人間関係などからくるストレスを感じ、カウンセリングを希望されるのですが、これらの症状は更年期障害とよく似ています。

 

相談者の一人B子さん(36歳)は、大手化粧品会社のマネージャーとして複数の店舗を任され、スタッフ育成にもあたっています。2年程前から不眠が続き、睡眠薬を服用するようになりました。しかし、ぐっすり眠れた満足感はなく、慢性疲労からカウンセリングを受けることに。さらに生理不順になったのをきっかけに婦人科へ。そこで初めて、更年期障害とわかりました。

「更年期障害は、中高年がなると思い込んでいたので、まさか私が、とびっくりしました。不眠や疲労感は全て仕事のストレスからきていると思っていたのです」というB子さん。

 

■更年期障害と認めることが嫌?

日本女性医学学会が行った更年期女性調査では、40代前半女性の4人に1人の割合で更年期障害の症状が出ているのに、病院で受診をしていないことがわかりました。

この理由として、更年期障害の自覚がないことが挙げられていますが、自分が更年期障害だと認めることに抵抗を感じる女性もいるのでは? 更年期相談を行うNPO団体「メノポーズを考える会」によると、最近は30代女性からの相談も増えているそうですが、20代女性でもプチ更年期障害に悩む人がいるとか。

不眠も、薬に頼る前に、気になる症状があれば早めのケアを。プチ更年期予備軍にならないようにしたいものですね。

[執筆:真香(母娘問題カウンセラー), 2014年2月28日]

 

【参考】
※ 『朝日新聞』「記者有論」2014年2月8日, 編集委員・高橋真理子
日本女性医学学会「更年期女性調査」2013年9月
『NHK生活情報ブログ』「更年期前世代 症状出ても受診せず」2013年10月30日