ほんの数年前までは、学校を卒業して働くようになってから初めて、仕事の大変さや社会の仕組みを知ったものでした。実際、2009年のマイナビ・ウーマンの調査(※1)によれば、仕事をして一番人生勉強になったことの第一位は、「社会の仕組みを理解できたこと」。

ところが、日本経済新聞の記事(※2)によれば、小学生に対する、社会の仕組みを知るきっかけづくりが最近始まったとか。そんなに早くから、どのような体験をするの? 興味がわきますね!

 

■ 10歳で仮想の会社を設立

前述の記事によれば、とある小学校では、4年生の全児童44人でオリジナルタオルの販売会社を設立。資金調達、商品のデザイン、市場調査、販売促進のためのビラ配り、納品業者への支払い、出資者への配当、決算まで、約1年かけて担任教諭の指導の下、児童が取り組みました。

このように、会社経営を模擬体験させる取り組みは、職業観を養う「キャリア教育」の一環です。キャリア教育は、2000年代半ばより全国の中学校や高校を中心に広がり、当初は、主に職場体験させることが多かったそうですが、現在は小学校への導入も進んでいます。

 

■ 会社経営の模擬体験のねらい

ところで、昨今の小学生のお小遣いの平均額は、小学生で1000円、中学生で2500円(※3)。前述の小学校校長は、模擬体験のねらいを、「何気なく小遣いをもらう子どもたちが、お金と働くことの重みを知る機会」と語ります。当の4年生たちの感想が紹介されており、どうやら、先生方のねらいは成功したようです。

記事に登場した専門家によれば、これらキャリア教育のねらいは、以下の2つ。

  • 労働の難しさを肌で感じる
  • 社会の仕組みに目を向けるきっかけ

 

こうしたキャリア教育を中学、高校でも積み重ねていくならば、約10年後には、ずいぶんとしっかりした新・社会人がたくさん誕生していると期待できそうです! その頃、働くことの難しさだけでなく、楽しさも伝えられる先輩でありたいものですね。筆者も先輩の一人として、イキイキと働くことを心がけたいと思います。

[執筆:五十嵐 ゆき(キャリアコンサルタント) , 2014年2月16日]

 

【参考】
※1. 『マイナビ・ウーマン』 2009年11月27日「社会人になったからこそ得た経験?働く女子に聞く『仕事をして、一番人生勉強になったことランキング』」
※2. 『日本経済新聞』2014年1月31日「『会社経営』主役は子供」
※3. 『@nifty マネー相談』2013年2月14日「わたしのマネー術/隣のうちはどうしてる? 子どものお小遣いの相場&将来に役立つお小遣いの渡し方」