「雑談力」を磨く自己啓発本を、あちこちで見かけるようになりました。ふむふむ、プライベートで充実した人間関係を築きたい人が増えているのね、と想像していたのですが、そればかりでもないようです。

というのも、「職場のランチや休憩時間の雑談が苦手で…」とか「口下手で営業が苦手」というご相談が、少なくないのです。雑談の達人は、どのようなきっかけを作っているのでしょうか? 日本経済新聞の記事(※1)などを参照して整理してみました。

 

■ ネタを創り出す

記事に登場した達人の例を見ると、雑談のきっかけは以下のとおりです。

・略語づくり

「例の件、ソノカク」。ソノカクとは「その後どうなったか、確認して」という意味のオリジナルな略語だとか。戸惑う周りにめげずに、たくさんの略語を使い続け、今では職場で新たな略語を期待されるほどに。

・旬の話題

例えば「昨日のドラマ見た?」。業務内容が時流に即したモノ・アイディア作りの場合は特に、視点や感性の共有に有効なのだとか。

 

略語づくりの場合は、「急に言われてもわからない~」なんて反応があるとしても、そこから会話が生まれる様子が目に浮かびます。いずれも同じ部署に相手がいるなど、ダイレクトに声をかけられる環境に合うでしょう。

ちなみに、メール中心の環境には不向きでしょう。例えば私が、ノーツマルシェ編集長に「シメエン、よろしく」とメールしても、「意味はなんですか?」と返信が来て、まどろっこしいだけ(汗)。

 

■ ネタを相手に見つける

記事に登場した、もう1人の達人の例は、自称・口下手な人にもお勧めできそうです。例えば、「体調悪そうね、どうしたの?」「お誕生日おめでとう」などが紹介されていました。

コミュニケーション上手は聞き上手、というもの。普段顔を突き合わせていなくても、日頃から、相手をよく観ていれば見つかるネタですね。気にかけてもらった相手も、悪い気はしないでしょう。

ところが、聞き役が習慣化し過ぎると、新たな悩みが生まれることもあります。初対面の人との出会いの場(たとえば、新規営業)なら、合わないのでは? と。相手はやがて「なんで自分ばかりが話をしなきゃいけないの?」と思うのではないかと。実は筆者も職業柄、聞き役が染みついているので悩むことがあります。

 

■ 自分をネタに雑談を

NHKの番組『サキドリ』(※2)によれば、とある銀行の窓口業務では、販売強化のために雑談力を磨いているとか。それも、まずは自分の話をするのだとか。これだけで、お客様の反応がガラっと変わるのだそうです。

営業や販売に限らず、誰かと関係を深めたり、相手に心を開いてほしいなら、自分から話すことが大切なのですね。それによって相手の緊張がほぐれて、親密な空気が生まれ、信頼関係を築くことができるようです。その先に、買って頂けた! という効果が生まれたら、それも素敵ですね。

 

あなたが雑談力を高めたい相手との状況は、どれでしょうか? 今日から、雑談のきっかけを作りのヒントになりますように。

[執筆:五十嵐 ゆき(キャリアコンサルタント), 2014年3月11日 ]

 

【参考】
※1. 『日本経済新聞』2014年1月27日「求ム、上司の雑談力」
※2. 『NHK さきドリ』2013年3月23日放送「鍛えないと損するヨ!“雑談力”」