「2020年までに30%」これは去年、安倍首相がうちだした「成長戦略」の目標のひとつである、「指導的な地位に占める女性割合」目標です。少子化が進み人口減少社会が到来する日本において、働ける人口不足は深刻。「女性の活躍」の促進は不可欠となっています。

しかし現状では、企業や社会におけるジェンダー格差は大きく横たわり、本質的な女性活用までには道のりは長いようです。

 

■ 浮彫になった女性管理職の侘しい境遇

今年1月に実施されたリクナビNEXTの調査(※1)によると、女性管理職は随分侘しい境遇にあることが浮き彫りになりました。例えば、男性管理職の既婚率は8割強で8割が子持ちなのに対し、女性管理職の既婚率は5割で子持ち率も4割強にとどまります。

更に平均年収をみると、男性管理職の890.6万円に対し、女性管理職は618.9万円。実に250万円以上の開きがありました。

子育てをしながら時短で活躍する女性管理職は少なく、女性管理職の半数以上が結婚や子供を犠牲にして会社につくしてきたにもかかわらず、給与は男性には到底及ばないという境遇が数値でも表れたのです。

これでは、ヨレヨレになっている女性管理職をみて、「ああはなりたくない」と会社での出世に消極的な女性が多いのも納得できます。まだまだ組織の中で女性が活躍していくには解決していく課題が多いのです。

元をたどれば、そもそも今の企業組織や社会は男性がつくってきたもの。そう易々とこれまでの特権階級を女性に差し出すとも考えづらいですし、仮に真摯な気持ちで女性を起用したいと考えたとしても、真の意味で女性がのびのびと活躍できるプラットフォームの創り方もよく分からないのではと思います。

 

■ 雇われない働き方

そこで提案したいのは、企業(組織)に雇われない「フリーエージェント型の働き方」です。これは10年前にダニエル・ピンクの著書(※2)で世の中に広まった考え方なのですが、当時の日本ではまだオーガニゼーション・マン(組織型ビジネスマン)が模範とする企業が多く、理想としてはそうであってほしいが、実行は難しい段階にあったと思います。

10年がたち、日本でもノマド、テレワークなどよばれ、組織に縛られず活躍する人も増えてきました。彼ら彼女たちは、安価もしくは無料になったインターネットやIT機器を使って、複数の顧客を相手に自宅で働き、独立したビジネスを営んでいます。

もちろんこのような働き方はジェンダーフリーです。しかし、既得権を捨てて新しい社会に飛び込むにはリスクが大きいと考える男性も多いのではと想像します。その点、捨てるものが少ない女性は、思い切って一歩進めるのではないかと思うのです。

自分の裁量で仕事を進められるのですから、組織に属しているよりも、結婚や出産などのライフスタイルの変化に対応し易いですし、育休や時短をとることでの周囲への引け目やキャリアダウンなど心理的なストレスも低いのです。

 

終身雇用が崩壊し、非正規雇用が一般化した今、フリーエージェント化は今後一層促進していくと考えられます。男性が先陣をきってきたビジネスワールドを、今度は女性が先陣をきり、共感する男性を新しいワールドに連れて行けばよいのです。

[執筆:マキコ・アサエダ(産後ライフプランナー), 2014年4月28日]

 

【参考】
※1. 『リクナビNEXT』「女性管理職に関する調査」2014年2月26日
※2. ダニエル-ピンク(2002)『フリーエージェント社会の到来―「雇われない生き方」は何を変えるか』ダイヤモンド社