日本が現在、抱える社会問題のひとつは少子化。4月下旬に開かれた内閣府の有識者会議「少子化危機突破タスクフォース」では、出生率などの数値目標を設定することについて、支持する意見が相次ぎました。しかし本来は、子供を産む・産まないは個人の選択に委ねられるものであり、今後さまざまな議論が交わされることが予想されます。

とはいえ、厚生労働省が発表した2012年の合計特殊出生率は1.41%(※1)。日本の将来を懸念する声が高まっているのも事実です。

 

■ 「結婚したら子供はもつべきだ」に賛成7割

ここで、平成22年に国立社会保障・人口問題研究所が実施した「第14回出生動向基本調査」(※2)から、あるデータをご紹介します。

この調査は、全国の50歳未満の有配偶者女子(約6700名)を対象に行われました。その中で、「結婚したら子供は持つべきだ」という考えに、賛成か反対かを問う質問がありました。結果は賛成が71.2%、反対は24.3%。賛成派が7割近くを占めています。

この数字を見る限り、結婚したら子供を産むという考え方が根強いことが伺えます。

 

■ 子供を愛せる自信がないと悩む相談者

子供を産むか、産まないか、悩み苦しんでいる人もいます。

母娘問題カウンセリングを行っている筆者のカウンセリングルームには、出産への迷いを抱えて相談で来られるケースも少なくありません。大半は30代。結婚してまもないか、あるいは数年の人もいます。

この年齢に集中しているのは、いわゆる出産のタイムリミットを意識していることも考えられますが、相談者に共通しているのは「母親になる自信がない」という悩みを抱えていることです。

それも、持病や遺伝といった理由ではなく、「母親に愛された記憶がない。だから、私も子供への接し方がわからない」、中には「言葉の暴力で、母から傷つけられた。私も、自分の子供に同じようなことをしてしまうかもしれない」といった虐待の連鎖を不安に感じている人もいます。

カウンセリングでは、母親と自分の関わりについて過去から現在までふりかえり、両者の関係性をどのように評価するかで、感じ方、考え方が大きく変化します。

「私は母から愛されなかった。でも、つらい時を乗り越えられた。だから私は、自分の子供を必ず愛せるようになる」。このような強い思いは、母親になる決心につながるのです。

 

「母親から疎んじられた自分が、親になる資格があるのか、なんて悩んでいたのがウソのようです。つわりも乗り越え、今は生まれてくる子供の顔を見る日が楽しみです」。カウンセリングルームには、時々このような嬉しいお便りが届くことがあります。

[執筆:真香(母娘問題カウンセラー) , 2014年4月30日]

 

【参考】
※1. 厚生労働省「平成25年(2013)人口動態統計の年間推計」平成26年1月1日
※2. 国立社会保障・人口問題研究所 「第14回出生動向基本調査 結婚と出産に関する全国調査 夫婦調査の結果概要」