今春、念願の一人暮らしを始めた方もいるでしょう。その一方で、ついにこの春も、一人暮らしの夢を、断念した方もいるのでは?

毎年、この時期になると、私の母娘問題カウンセリングルームには、同じような悩みを抱えて来られる相談者が多くなります。共通しているのは、母親の猛反対にあい、どうしても一人暮らしの夢を実現できないという内容。中には、もうこれ以上、母親と一緒にいると、心身ともに蝕まれ精神的におかしくなりそうだといった深刻なケースもあります。

 

■ 約3割の娘が、母親をうるさいと感じている 

少し古い統計になりますが、2001年に実施された「成人未婚者の離家と親子関係」の調査によると、親元生活のデメリットとして挙がる項目に「母親がうるさい」というのがあり、そのように感じている男性は19.8%なのに対し、女性は27%。「母親が子離れできない」の項目では、逆に男性の方が多く17.3%、女性は15.2%となっています。

さらに、「あなたが親離れできない」については、男性19.8%であるのに対し、女性は32.7%あります。この結果を見ると、母親を疎ましく感じる一方で、自ら親離れをする必要があると感じている女性が多いことがわかります。

 

次に、一人暮らしをはじめた女性を対象に実施された株式会社 引越し侍のアンケート調査(※2)によれば、親元を離れた理由で「自立するため」と答えた女性のうち、社会人数年目の人が71.9%にのぼります。

相談者の一人B子さんも、何かと干渉する母親から自立したいと思い、母親に一人暮らしの計画を話してみたのですが、激怒され、最後は「私を置いていくのか」と泣かれてしまったそうです。その後も話を持ち出しては、毎回同じパターンの繰り返しが続いています。

 

■ 期限付き一人暮らしを提案してみる

母親が、娘の一人暮らしを反対する理由に挙げるのは、犯罪に巻き込まれる不安や食生活が不規則になる心配などですが、その奥には「いつまでも娘を自分の支配下に置いておきたい」といった心理が隠されているケースもあります。

B子さんの場合は、母親が2階に上がってくるスリッパの音を聞くだけで、手の平が汗で湿るといった身体状況にも気づき、今年こそは一人暮らしを始める決心を固めました。とはいっても、そこに立ちはだかるのは母親の厚い壁。

そこで、まずは2年あるいは3年といった期限付きで、切り出してみるのはいかがでしょうか。週末には実家に顔を見せるなどフォローすれば、母親の不安も軽減されます。まずは、この条件提示で、突破口を作りましょう。

[執筆:真香(母娘問題カウンセラー), 2014年4月10日]

 

【参考】
北村安樹子「成人未婚者の離家と親子関係~親元に同居する成人未婚者のライフスタイルと親子の規範~」ライフデザイン研究所『LDI report 』 (128), 22-45, 2001-07 ,調査対象:両親と同居する全国の20~39歳の未婚男女 「母親がうるさい」の回答数:男性207名,女性276名(2001年1月実施)PDF
株式会社 引越し侍「女性が一人暮らしを始めるきっかけとは いまどき女性の一人暮らし事情」アンケート調査(2014年2月実施)