「自動ブレーキ型」。 これは、日本生産性本部が発表した今年(平成26年度)の新入社員のタイプです(※1)。

車の自動ブレーキは、高感度センサーの働きにより衝突を回避し、事故を未然に防ぐ最新技術。この技術だけで事故を100%防ぐわけではないものの、運転テクニックを補う賢い技術として注目されています。この自動ブレーキの特徴が、今年の新入社員の特徴を彷彿とさせるようです。

 

■ 今年の新入社員の特徴

前述の発表によれば、今年の新入社員の特徴は、以下のとおり。

  • 就職活動は手堅く、そこそこの内定を得て終了
  • 知識豊富で敏感
  • 何事も安全運転

 

まずは、彼ら2014年卒の就職活動の様子を、調査結果(※2,3)をもとに読み取ります。彼らは、従来よりも就職活動が2カ月短くなった第2期生です。

●エントリー
2014年卒:60.17社、 2013卒:59.97社、 2012卒:58.56社

●エントリーシートなどの提出
2014年卒:20.99社、 2013卒:22.13社、 2012卒:22.66社

●内々定・内定を取得する
2014年卒:1.85社、 2013卒:2.00社、 2012卒:1.75社

 

2014年卒は、就職活動が短くなったことに左右されず、それまでよりも多めにエントリー。情報収集を行い、短期間でも流れに乗って行動するスマートさを感じさせます。

一方、実際の応募は慎重に選び、少なめに手堅い様子。さらに、景気の追い風を過去2年より受けていたにも関わらず、内定を2社以上得たうえで最終的に選択する粘りの姿勢が、数字では感じ取れません。衝突(不採用)を避けてしまったのでしょうか。

 

■ 本人の特性を生かす配慮を

実は前述の調査(※1)は、「知識は豊富」「衝突を回避する」安全志向の彼らの特性を、周囲が上手に活かすよう期待をこめて、「自動ブレーキ型」と名付けた様子。そのココロは、高性能の自動ブレーキは「完全」を保証するものではなく、使う人が上手に活用して初めて真価を発揮する、だとか。

新入社員の力を伸ばす職場環境づくり、彼らの個々の特性に応じたコミュニケーションや指導方法が、私たち先輩・上司に一層期待されているのです。そう考えると、ちょっとプレッシャーかもしれませんが大丈夫。

入社後しばらくは誰もが、職場での自分の身の処し方に戸惑い、緊張しているもの。ぜひ、こまめに「どう? 何か困っていない?」などと話しかけ、気にかけてあげてください。その繰り返しが、彼らが力を発揮できる環境づくりに繋がります。彼らを活かすのは、私たち次第なのです。

[執筆:五十嵐 ゆき(キャリアコンサルタント), 2014年4月1日]

 

【参考】
※1. 公益財団法人 日本生産性本部「平成26年度新入社員のタイプは「自動ブレーキ型」」2014年3月26日発表
※2. 株式会社リクルートキャリア「就職白書2014―採用活動・就職活動編」2014年3月12日
※3. 株式会社リクルートキャリア「就職白書2013―採用活動・就職活動編」2013年3月12日