今回は働く女性にオススメの1冊をご紹介したいと思います。不妊治療を専門に行う、浅田レディースクリニック院長、浅田義正先生の著書『いつか産みたいと思うならいま知っておきたい18のこと』(※1)です。仕事を頑張り、「さあ、いよいよ結婚!そして妊娠へ!」と人生のコマを進めようとした矢先に直面することも少なくない、不妊という現実……。こんなはずではなかった、と嘆き悲しむ女性たちをたくさん見てきたという先生からの妊娠出産にまつわるメッセージがたくさん詰まった一冊です。

「妊活」という言葉も定着してきた今日ですが、イマイチピンとこない、実際どうすればいいの?そんな風に感じる人もいるはず。そこで今回は、働く女性の目線から改めて妊活について考えてみたいと思います。

 

■ 妊娠は努力で勝ち取れるものではないから…

就職や結婚は、積極的に動き努力すればどうにかなるもの。働く女性たちの中には努力で夢や希望を叶えてきた人も多いでしょうからから、妊娠だってきっと! と思っても不思議ではありませんよね。ただ、妊娠だけは残念ながら本人の努力と結果がイコールで結ばれないのが現実。「不妊治療をすれば絶対に授かる!」という思い込みはちょっぴり危険です。

筆者の友人Aさんは30歳になったとき、卵子の在庫がほぼなくなりかけている現実を知り、焦って不妊治療をスタートさせました。「治療はあくまで手段。そもそも卵がなければ治療すら満足にできないんだから、不戦敗ほどくやしいものはないよね」……。Aさんの胸のうちが痛いほど伝わってきた言葉です。

 

■ ホントのところ、妊活って必要?

「妊活」という言葉は妊娠しやすいカラダづくりなどの総称ですが、浅田先生は本書の中でこの言葉には少し違和感があるとおっしゃっています。Aさんのように卵子がちゃんと残っていなければ、いくら努力しても報われることはないからです。妊娠適齢期は今も昔も変わらず若いうちがいいと示したうえで、まずは自分の卵巣予備能(卵巣の中に残っている卵子の目安)を知ることが大事だと伝えています。

 

時間が経過し年を重ねると私たちの卵子も老化し妊娠しにくくなる一方。老化は残念ながら食い止めることはできません。でも、だからといってただ時間を過ごすより、毎日の生活に少し気を遣って暮らしたほうが心身のためですよね。

筆者は約4年間不妊治療をしてきましたが、この期間は自分の心と身体と向き合うとても貴重な時間だったと感じています。生活習慣を見直したり、パートナーとの関係や将来をイメージしてみたり、自分にとっての幸せの形が何か模索したり……。こうしたことも広義の妊活ととらえながら時に辛い治療を乗り越えてきました。「活」は「活」でも就活や婚活とはちょっぴり事情が違う妊活だからこそ、さまざまな視点から捉え意義ある時間を過ごしてほしいと願っています。

 

[執筆: 渡辺 さちこ(「妊きゃりプロジェクト」主宰), 5月12日]

 

【参考】
※1. 浅田義正(2014)『いつか産みたいと思うなら いま知っておきたい18のこと』パブラボ