会議やスピーチなどで、緊張や失敗を恐れ、人前で上手く話すことができなくなった経験をお持ちの方は多いと思います。実は10人に1人~2人の割合で、日常に支障をきたす極度のあがり症である「社会不安障害(略称SAD:Social Anxiety Disorder)」を抱える人が存在します。この病気は男性に比べて女性の有病率が高く、子どもの学校や母親同士の関係性などでも症状が現れやすいのです。

ご自身の心理状況を確認する材料として、下記チェックシートでぜひご覧くださいね。下記の行動に強い抵抗はありますか? 複数に当てはまったら、社会不安障害の可能性があるかもしれません。

 

【社会不安障害の症状チェック表  全24項目より抜粋(※)】

  • よく知らない人に話をする、電話をかける
  • 小グループに参加する
  • 公共の場で食事、お酒を飲む
  • 権威ある人と話をする、人に報告をする
  • 誰かを誘う、パーティー参加や主催
  • 人に見られて文字を書く、仕事をする
  • 初対面の人と会う、人に目を合わせて話す
  • 公衆トイレを使用する
  • 皆の待つ部屋に後から入る、人に注目される
  • 試験を受ける
  • 人前で意見を言う、反対意見を言う
  • 強引なセールスを断る、返品する

 

■ これは性格?

症状は中学生頃から現れはじめ、人前で行動する機会が増える社会人になると複数が表面化。他人の言動が気になり、交友関係を楽しむことが次第に減ります。周囲の人への不安や恐怖から、通勤や通学が苦痛なのは自分の性格に問題があるのではないかと考え、筆者のセラピールームを訪れる方もいらっしゃいます。

しかし通常のあがり症と大きく違うのは、上手くいくはずがないという思いこみが強まり、恐怖心からアルコールに逃げるなど、関連する行動や状況を回避しようとする点です。

上記の症状チェックリストを参考に、日常生活に支障を感じている方は精神科や神経科、心療内科を訪ずれることも選択肢のひとつ。治療により症状が改善しやすくなっています。

 

■ 正直な身体反応

社会不安障害とは、人前で何かの行動を起こす際に脳内の扁桃体が過敏になり、身体に動悸・赤面・不安などの症状の現れです。言い換えれば、これらは強い緊張や不安を和らげるための効果であり、本来の人間らしく正直な姿でもあるのです。

何より大切なのは、世界でただひとつ、そうした自分の個性を愛すること。目に見えない不安から解放され、辛い症状は少しずつでも克服していきましょう。人生の可能性は自分自身の手で、まだまだ広げていくことが出来ます。

[執筆:桜井まどか(心理カウンセラー), 2014年5月24日]

 

【参考】
Meiji Seikaファルマ株式会社, アッヴィ合同会社(SADキャンペーン事務局)『SAD NET』「SADチェックシート」国際医療福祉大学 医療福祉学部 教授 上島国利監修