■ 最近注目のダウンシフターとは?

自分の価値観に合ったワークライフバランスの実現を目指す人達が日本にも出始めてきました。収入の減少によっても、生活は成り立つ。生活水準が低くなったとしても、自分の理想とするライフスタイルを選ぶ。このような考え方をもち、実践している人のことを「ダウンシフター」と呼びます。

『減速して生きる-ダウンシフターズ』(※)の出版など、マスコミでもダウンシフターを取り上げることが多くなり、話題になっています。

ダウンシフターで注目すべきことの一つは、実践者の多様な働き方にあります。長時間労働を避けるため、正社員から派遣、フリーランスになる人も。あるいは、都会から地方へ移り住み、自作農を始めるケースもあるようです。

 

■ ダウンシフターの彼との結婚を母親に反対されて…

母娘問題カウンセリングを行っている筆者のところには、母親に結婚を反対され相談に来られるケースがかなりあります。

A子さんもその一人で、つきあっている彼は、複数の学校をかけもちする美術講師だそうです。彼があえてこのような働き方を選んだ理由は、自由な時間を確保し、創作活動に打ち込みたいから。A子さん自身は大学の准教授であり、彼と結婚しても経済的に生活していけると考えています。

ところが、彼が講師であることを知った母親が激怒。最初は「女性の収入が多いと、男はプライドが傷つく。結婚生活は続けられない」というのが結婚の反対理由だったのですが、結局は「何のために、大学院まで行かせてやったのか。あなたの社会的身分にふさわしい人を選ぶべき」と本音がチラリ。母親は彼を、定職につけないアウトローだと決めつけているのです。

それでも、A子さんは結婚をあきらめようとはしません。カウンセリングを通して「私も40代になり、これから新たな出会いがあるなんて考えられない。何よりも彼をかけがえのない存在だと思う」と自分の気持ちを再確認しました。

そして今春から、実家を出て彼との同居生活をスタート。

「母親に冷静になってと言っても今は無理かもしれない。とりあえず、近況報告のメールだけは送り続けたい」というA子さん。母と娘、メールだけでもつながっていれば、いつかは分かってもらえる時がくるといいですね。

[執筆:真香(母娘問題カウンセラー), 2014年6月10日]

 

【参考】
高坂勝(2010)『減速して生きる―ダウンシフターズ』幻冬舎