上昇志向が高く、出世などにも前向きな「バリキャリ」、自分が大切にしたいことを第一に、ほどほどに働く「ゆるキャリ」。こうした呼称も出現するほど、女性の社会進出は定着し、育児休業制度を利用し働く人も増えました。ウーマノミクスの時流に乗り、女性活用に取り組む企業は今後さらに増えるでしょう。

ただ、その一方で注目されているのが「制度のただ乗り」や「ぶら下がり」に代表される、働く人の意識の低下です。今回は、時短復職ワーキングマザーの意識改革を行う企業の取組みと、働く側が抑えておきたい心得のポイントついてお伝えします!

 

■ モチベーションの底上げ――企業の対策

日本経済新聞の記事(※1)によると、女性活用に取り組む企業の一部は、社員の仕事と育児の両立支援からキャリア支援へと軸足を移しているそうです。産休・育休をとって働き続ける女性は増えたものの、ゆるキャリ路線のまま家庭第一に楽な仕事に安住する傾向がある、というのがその理由。確かにお給料をもらう以上、制度に甘えられるのは困りますよね。

企業はいま、多様な働き方を模索するワークショップを開催したり、管理職としてイキイキ働きながら子育てをしているモデルケースを紹介するなど、ワーキングマザーの意識改革を目的に、社員のキャリア支援を進めています。

 

■ 時短ワーキングマザーが明日から実践したい3つのポイント

いざ育休から復帰しても、ブランクや時短労働の関係上、すぐに元のような戦力になるのは難しいですよね。でも、だからといって「私には育児があるから」と待遇に甘んじるように仕事を避けたり、周囲に残務が回されるようなことになれば周囲との間に軋轢を生みかねません。

職場との潔い関係をつくるポイントを、人事コンサルタントの海老原嗣生氏の著書『女子のキャリア』(※2)を参考に3つご紹介します。

 

【ポイント1】感謝の気持ちをきちんと伝える

間違っても「時短は権利だから当然」と言わず(態度に出すのも、もちろんNG!)、常に周囲へ感謝の気持ちを伝えるようにしましょう。小さなことでも「借り」に対して、感謝やリスペクトを表現することで無用の軋轢は避けられるはずです。

 

【ポイント2】自分の意見を自信をもって発信する

短時間労働をしていると、若手社員からつい軽んじられることがあるようですが、知識や経験を糧に、自信をもって考えを伝えることが必要です。時には厳しくも適切なアドバイスをしてあげることで、後輩からの信頼度もアップするでしょう。

 

【ポイント3】自律的に取り組む姿を見せる

与えられた仕事を淡々とこなすのではなく、意思をもって自律的に取り組んでいる姿勢をきちんと見せることも大切です。帰宅後、家事や育児の合間をみながら残務を片付けメールで報告したり、必要に応じて家から電話をかけるのもおすすめです。

 

いかがでしたか? 相手に理解してもらいやすい状況をつくることでコンフリクトを避け、会社や一緒に働く人との潔い関係を維持したいものです。

[執筆:渡辺さちこ(「妊きゃりプロジェクト」主宰), 2014年6月  日]

【参考】
※1. 『日本経済新聞』2014年5月19日「働く女性、上目指して 両立からキャリア支援に」
※2. 海老原嗣生(2012)『女子のキャリア』ちくまプリマー新書