1日8時間、1週間の労働時間を40時間とする規制を外すホワイトカラー・エグゼンプションの導入が、政府で議論されています。この制度の対象者はごくごく限られそうですが、短時間勤務のワーキングマザーが、緩やかに働きやすくなると期待しています。

 

■ 給与と労働時間のリンクを断つ

日本経済新聞の記事(※1)によれば、政府は、制度対象者の年収基準を「少なくとも1000万円以上」の専門職に限定すると決め、2016年の施行を目指します。制度のポイントは、給与額を労働時間ではなく成果に応じて決めること。欧米では導入済みで、残業代を払わない代わりに、一定の手当てを含んだ給与を払っているとか。

日本でも、“残業代の代わりに一定の手当てを含む給与”になると期待しますが、“残業代ゼロ制度”と考える声があるのも事実。ただし、制度の主旨は給与と労働時間の結びつきを断つこと、つまり長時間労働の是正です。

 

■ 職場の空気を緩やかに変える?!

仕事と家庭の両立のために短時間勤務を選択したものの、周囲に業務負荷をかけ申し訳なく思う、職場で一人早く帰宅するので肩身が狭いなどの声を、ワーキングマザーから聴いてきました。本人を後ろめたくさせる空気は、「早く帰る」と「仕事がラク」が自動的に結びつく、そんな周囲の思い込みが結集したものに他なりません。

ラクな業務に変わって挫折を感じる人や、業務負荷は変わらず短時間で帰るために一心不乱に努力している人もいます。彼女たちの話を聴くたびに、頑張る人の足をすくう空気を何とかしたいと感じます。

 

そもそも仕事と家庭の両立は、男女年齢問わず共通の課題。「早く帰る」に対して、「生産性が高い」が結びつく職場の空気にしたいですね。そんなことを願って、採用面接を担当する会社で「優秀な社員ってどんな人ですか?」などと質問されたら、筆者は、「完成度の高い仕事ができる人、ただし時間をかけること以外の方法でできる人」と応えています。

ホワイトカラー・エグゼンプションの導入で、効率よく働き、頑張るあなたやワーキングマザーの足がすくわれない職場になりますように…期待をこめてニュースに注目しています。

[執筆:五十嵐 ゆき(キャリアコンサルタント), 2014年6月17日]

 

【参考】
※ 『日本経済新聞』2014年6月12日 「労働時間規制外す」