先日の東京都議会でのセクハラやじ問題はうやむやのまま幕引きを迎えました。途中からやじの犯人探しに躍起になり、本題が置き去りにされた感じが否めないことに筆者は複雑な思いがしましたが、同時に結婚や不妊に関してあまりに理解のないやじが飛ぶことに、制度よりもまず意識改革が重要だと考えさせられました。

少子化を食い止める上で参考にしたいのが制度面、意識面で世界の先端を行くスウェーデンの事例。今回は、女性の社会参加と高い出生率、そしてそれを支える男性の育児支援についてお伝えします。

 

■ スウェーデン女性の社会参加の状況

スウェーデンでは20歳から64歳までの全女性人口の80%が職業を持ち働いています。日本のような主婦に配慮した年金制度がなく、働くことが前提の社会システムになっているため、専業主婦の割合はたったの2%というから驚きです。国会議員に占める女性の割合は45%、民間企業の女性管理職比率も28%で安倍政権が掲げる2020年の目標値(30%)に近くなっています。

 

■ 日本よりも高い出生率

これだけ働く女性が多いと、出生率が低下し少子化が進む一方では?と懸念されそうなものですが、スウェーデンの出生率は1.89で、日本の1.43をはるかに上回っています。背景にあるのは充実の育児休業制度や保育環境。日本の働くお母さんを悩ませている待機児童は、ほぼゼロなんだそう。

 

■  男性の育休取得率90%

そしてこの高い出生率を維持する最大の支えはなんといっても男性の存在。スウェーデンにおける男性の育休取得率はなんと90%に上っています(日本はわずか2.03%)。育児休暇は両親合わせて480日で、そのうち390日間は給与の80%が補償されています。

スウェーデンでは、国として男性の育児参加促進に取り組んできたため、制度はあるけれど周囲に遠慮して取得しにくい風潮がある日本とは異なり、男性が家事や育児をすることも当然なんだとか。この意識こそがもっとも大切で制度をうまく支えているようです。先日の男性都議会議員のような存在は、スウェーデンではまず考えられないでしょう…。

 

政府は、2020年までに男性の育休取得率を13%にしたいと目標を掲げていますが、なかなか現状が追いついていないことも考えると、男性の意識改革が急務だと思えてなりません。スウェーデンでは男性が子育てに参加するのは子ども自身の幸せのため、という考え方もあるようです。日本がこの国に学ぶことはたくさんありそうですね。

[執筆:渡辺さちこ(「妊きゃりプロジェクト」主宰), 2014年7月1日]

 

【参考】
※『日本経済新聞』2014年6月21日「スウェーデン、専業主婦率2%でも出生率高い理由」
※『日本経済新聞』2013年10月25日[働く女性多いスウェーデン 背景に主婦の地位の低さ〜スウェーデンから見る日本~」