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変化を楽める人がチャンスを掴む! 「キャリアドリフト」とは
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変化を楽める人がチャンスを掴む! 「キャリアドリフト」とは

■ もはや安定は望めない?! 働き方の現実

20代の若年者や女性の転職相談に乗っていると会社選びの条件で、よく聞くのが「安定している」という答えです。リーマンショックや昨今の非正規雇用の拡大の状況を見て、防衛本能が働くのは無理もないと思います。

しかし、もはや成熟社会に突入した日本で「安定」は望めないといえます。

IT化がすすんだ現代では企業の寿命は10年、ないしは5年という声もあるくらいで、一生その会社で働いていくという終身雇用モデルは崩壊しつつあります。加えて現在の小学生の65%は大学卒業時、今は存在していない職に就くというデータ(※1)もあるくらい、確実な選択などないといえます。
そうしたなかで企業から求められているのは自律型人材、いわゆる自ら考え、利益をつくっていける人物です。

 

■ 変わることを恐れない。キャリアドリフトという考え方

こうした時代においては、いざという時に会社に頼らずとも行きていけるくらい能力開発しておきたいところ。しかし、それはハードルが高いな……と思う人も多いと思います。そんな方には目の前のことを一生懸命やってみながら、流れに任せる「キャリアドリフト」という考えをおすすめします。

「キャリアドリフト」は神戸大学大学院教授の金井壽宏氏が提唱する理論です。変化の激しい時代では5年、10年先のキャリアデザインをして、方向性を縛るのではなく、変化に適応して、偶然のチャンスを活かしてキャリアをつくっていこうという考えです。試しにやってみて軌道修正していくということでもいいと思います。

人生の転機や節目においてはキャリアをデザインすることは大切ですが、常にキャリアデザインを意識してがんじがらめになり、視野が狭くなってしまっていては本末転倒。あえて成り行きに任せることで、意外な自分の能力を発見することにつながることもあります。「キャリアドリフト」で、あなた自身の人生や働くことの選択肢の幅を広げてみてはいかがでしょうか。

[執筆:小倉 環(キャリアカウンセラー) ]

 

【参考】
※1. 2011年8月のニューヨークタイムズで米デューク大学のキャシーデビッドソン氏が「米国で2011年度に入学した小学生の65%は大学卒業時、今は存在していない職に就くだろう」と発表し、話題を呼んだ。

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