現在、待機児童の定義は自治体ごとに定められています。待機児童の定義がバラバラなため、待機児童とひとことで表しても実態が異なっていました。しかし、2015年4月から始まる子育て支援制度に合わせて、待機児童の定義を見直して、統一されることとなりました。

 

■ なぜ定義統一が必要なの?

国の基準はあるものの、「待機児童」の定義は各自治体で細かい点は決めています。例えば、育児休業の延長をした場合。自宅で保育が出来るという事が考えられるため、待機児童に含めないとしている自治体もあります。

他にも認可保育園に入れず、

  • 幼稚園の預かり保育を利用している
  • 認可保育所以外の認定子ども園小規模保育に入所を申し込んだが利用していない
  • 休職中または内定を辞退してしまった

などの場合、待機児童には含めない自治体が殆どなのですが、一方で待機児童に含める自治体もあります。待機児童の定義は本当にバラバラなのです。

 

■ 定義統一すると、どんな影響があるの?

統一することによって、正確な待機児童数が分かるようになります。今回の目的も「待機児童の正確な実態を把握すること」です。

実態を把握するとどうなるのか。待機児童数が増える可能性があります。それは、これまで定義に含むかどうかが各自治体に任されていたため、やむを得ず育児休業を延長した場合や、認可保育所以外の保育所に入所を申し込んだが利用していない場合、親が休職中の場合なども、「待機児童」として対象に含まれるようになるため。

待機児童がゼロになった自治体でも、定義統一されることによって待機児童数が増えることは確実です。中でも横浜市は二千人を超すとみられており、一気に増えてしまいます。

今まで、“潜在的な待機児童”と呼ばれていた児童たちの数が、全てではないにしても明るみになることは事実です。

 

待機児童数が一気に増えると、認可保育園に申込みをする保護者にとっては、この数字にどうやって向き合うのか不安になってしまうことも考えられます。

しかし、見えなかった部分が見えて、認可保育園に申込みをしても入れなかった理由がわかる事も事実です。

そして、定義を統一することにより、待機児童減少に近づけることを期待します。

[執筆:三木育美(保育情報アドバイザー), 2014年8月17日]

 

【参考】
『東京新聞』「待機児童の定義統一 育休延長も対象」2014年7月30日 朝刊
『Economic News』「厚労省が待機児童の定義統一へ 自治体の意志をくじかない改革を」2014年08月03日