若手女性のキャリアカウンセリングの現場では、高学歴なのに未だ専業主婦志向を持っていたり「仕事はそこそこでいい」と思っている女性を多く見かけます。先日は「ワーキングマザーの先輩が焦りながら仕事をしているのを見て、やっぱり私は結婚したら家に入りたい」という声を聴きました。

人それぞれの価値観ですが、女性が仕事を楽しむことを応援したい立場の筆者としてはこういう声を聞くと「もったいないなー」といつも思います。しかし日本の働く女性のなかには、ある程度の割合で「仕事がつまらない」「上を望めない」と感じている層がいます。

 

■ 日本の女性が仕事を辞める理由は「仕事への不満」「行き詰まり感」

それを証明するデータとして、アメリカの「The Center for Work-Life Policy」が2011年に実施した調査(※)があります。

アメリカと日本の高学歴女性の離職状況を比較した調査なのですが、仕事を離れる「きっかけ」として日本女性は出産・育児が74%と圧倒的です(アメリカは32%)。そして、その根底の原因は「仕事への不満(63%)」「行き詰まり感(日本49%)」という仕事へのネガティブな心の状態が上位にあることがわかりました。これが未だ日本では出産・子育てを機に離職する女性が6割いるという現状を生み出しているともいえます。

日本の女性にとって「働くことの魅力が低い」ということは、これまで女性を活用しようとしてこなかった社会の裏返しでもあります。これは企業・職場、社会保障制度という外部的要因と、幼少期からの育ちの環境(特に母親の影響)といった内部的要因の両面から、改善のアプローチしていくことが望まれます。

 

外部的環境は今、アベノミクスの女性活躍推進で追い風が吹いているとは言いつつも、個人の力では大きく変えることは難しいです。しかし一人の娘を育てる母として、筆者も次世代の女性が「働くことを楽しむ」社会づくりのために、子供たちに仕事を楽しむ背中を見せたいと思っています。

[執筆:小倉 環(キャリアカウンセラー) , 2014年11月14日]

 

【参考】
経団連出版(2014)『企業力を高める―女性の活躍推進と働き方改革』
※ 写真:(c) citalliance / 123RF.COM