「マタハラ」とはマタニティハラスメントの略で、働く女性が妊娠・出産に関連し職場において受ける精神的・肉体的いやがらせのこと。妊娠中や産休後に会社で受ける「心無い言葉・行動」「解雇や契約打ち切り、自主退職への誘導」が主な行為で、非正規雇用者の増加などにより近年急増していると報道されています。今回は、マタハラに関する裁判の最新事例をお伝えします。

 

■ 妊娠や出産を理由にした降格は違法

10月23日の『日経新聞』(※1)によれば、妊娠を理由にした降格が男女雇用機会均等法に違反するかどうかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第一小法廷(桜井龍子裁判長)は23日、妊娠や出産を理由にした降格は「本人自身の意思に基づく合意か、業務上の必要性について特段の事情がある場合以外は違法で無効」とする初判断を示しました。事件の詳細は、『NHK時論公論』(※2)でも詳しく伝えられています。働く女性にとって妊娠・出産とキャリアアップに関する先駆的な事例となり、今後の企業の対応にも影響を与えるのではないでしょうか。

 

■ マタハラとはどんなこと?

男女雇用機会均等法は、妊娠・出産やそれに伴う業務転換、時間外労働の拒否などを理由に、解雇や降格、減給など不利益な扱いをしてはならないと定めています。典型的なマタハラは、妊娠・出産がきっかけで解雇や契約打ち切り、自主退職への誘導などが考えられますが、日常的なことでは、妊娠中や産休明けに残業や重労働を強いられること、心無い言葉や嫌がらせなどもマタハラにあたります。仕事での無理がたたって流産…などという結果にならないよう、出産前後の母体を守る法律を知っておきましょう。

 

■ 誰に相談すればいいの?

2014年6月の連合の「第2回マタニティハラスメントに関する調査」(※3)によれば、ハラスメントを受けた際の対応として一番多かったのが「我慢した:31.4%」、次いで「社外の友人に相談した:26.1%」、「諦めて仕事を辞めた:25.2%」となっています。会社の専門部署や労働組合、公的機関などに相談した人はいすれも2~3%と非常に低い状況です。上司に言いにくい場合は、会社の人事や総務部に相談したり、厚生労働省労働局雇用均等室でも相談窓口(※4)を設けていますので、マタハラにお困りの方は利用してみてはいかがでしょうか。

 

妊娠・出産を乗り越えて働く女性は、マタハラについて知識を持つと同時に、同僚や上司に自分の体調や子育ての状況などをうまく伝え、快く協力してもらえるような信頼関係を作ることも大切ですね!

[執筆:藤崎 葉子(キャリア アドバイザー), 2014年11月9日]

 

【参考】
※1. 『日本経済新聞』「妊娠理由の降格は「違法で無効」 最高裁が初判断」2014年10月23日
※2. 『NHK時論公論』「マタニティーハラスメント~深刻な被害を考える」
※3. 『連合非正規労働センター第2回マタニティハラスメントに関する調査』
※4. 厚生労働省 労働局雇用均等室 相談窓口連絡先

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