事務職のAさんは、昨年から2つの部署を兼務。「会社から便利に使われているようで嫌、上司のことも嫌」と、筆者のところにキャリア・カウンセリングにお越しになりました。忙しくなっただけで評価されるわけではなく、やりきれない虚しさを抱えている旨。

こんなに頑張っているのに認められない、そういう辛い状況を、会社員時代に筆者も経験したことがあります。状況を変えるために転職やスキルアップなど「外」に目を向けたこともあり、ずいぶん回り道をしたような……。偶然キャリア・カウンセリングを学び、「内」に目を向けることこそが、辛い状況を乗り越える近道だと気づきました。

 

■ 認められたい欲求

ヒトは満たされない欲求を満たそうと思って行動を起こすのであり、欲求には5つの次元があると唱えた心理学者のA.マズロー。5つの次元は低いものから順に、次のとおりです。

  • 1. 食欲や睡眠などの生理的欲求
  • 2. 住まいなどの安全欲求
  • 3. どこかに所属する、友人がいるなどの社会的欲求
  • 4. 他者に認められたいという承認欲求
  • 5. 自己実現欲求

好かれたい相手に好かれるためにはどうしたら良いだろう? と考えることと同様に、職場で承認欲求が満たされない状況を考えてみることがコツ。上司や周囲の自分への期待は何だろう? 期待に応えるには、自分はどうしたら良いだろう? と考えることができますね。それが自分を動かすモチベーションになるのです。

 

ところで、頑張っているときほど、なぜ認めてくれないの?! と相手に苛立ったり、嫌ったりするもの。そういう状況なのだから期待に応える気持ちになれない、と思うかもしれません。

それでも、期待に応えるには? 認められるには? と考える方が、自分を成長させる視点では健康的・建設的です。上司に媚びる必要はありませんが、視点を変えて辛い状況を乗り越えられたら、今よりもっとタフで他者の苦労を察することのできる懐の深い人物になっています。苦しいときこそ、上り坂なんですって。応援していますよ。

[執筆:五十嵐 ゆき(キャリアコンサルタント), 2014年11月30日]

 

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