■ 夫に家事をさせるには…?

女性活躍推進の壁を阻む理由の一つに「男性が家事をしない」ことがよく言われます。筆者も出産後の女性を対象とした就職セミナーなどでは必ずと言っていいほど「夫に家事をさせるにはどうしたらいい?」という質問を投げかけられます。

そんなとき筆者は「あなたのためではあるけど、子どものためでもあるよね」とアドバイスをしています。家事をいつまでも「母親の仕事」としていると、子どもたちが手伝う際に「なんでお父さんはやっていないのに?」と疑問を投げかけられ、家事がリスペクトされない労働のままです。

そんなふうでは子どもたちが社会人になったときに苦労するのでは? と感じています。その理由は二つあります。

一つはグローバル化が進むなかで、日本のような便利な国で働けるとは限らないからです。家事をすることは一から段取りを考えつつも、周囲の期待に応える落としどころを自分で考える能力がつきます。英語より勉強より、私は家事力だと思っています。

二つ目は女性の高学歴化と労働力が減少している日本においては、女性が社会で活躍することが当たり前になります。家事ができない男性は結婚の対象から外されてしまう可能性があるからです。

 

■ 家事力は家庭円満の秘訣

筆者は「家事をすること」は家庭でできる自立型人材育成の筆頭だと思っています。その理由は子どもがお手伝いをすることが、子どもの自尊心を育むことにつながるからです。

我が家の例ですが、家事は家庭の一員であればどんな状況を抱えていたとしても全員が参画すること、としています。そして家事をしてもらったら「ありがとう」を述べることもルールになっています。

夫が家事を担うことで夫に感謝をし、それを見ている子どもは家事をすることで感謝されることを知ります。子どもにとって家事をすることが当たり前になり、親が子どもに感謝をします。すると家庭内に「ありがとう」の連鎖が生まれます。
それが子どもの自尊心を育んだり、自分でできることを率先して行動する「主体性」にもつながると感じています。

 

子どもにお手伝いを習慣にさせるのは根気がいりますが、誰しも最初はできないもの。後々の投資だと思って、できたところまでは褒めて、根気よく見守りましょう。夫にも同じことがいえます。子どもの将来のために、家事をすることを頼んでみてはいかがでしょうか。

[執筆:小倉 環(キャリアカウンセラー) , 2014年12月3日]