■ 過去、未来を手放し、「今、この瞬間」を大切にする

「仕事と家庭、両方を精一杯やっているのに中途半端……」と悩んでいるワーキングマザーは多いものです。中途半端さを克服しようと、効率や自分のタスク推進力を追及し、心が汲汲となってしまう、そんな方を筆者は多く見てきました。

この中途半端という自分への評価軸は「産前、仕事で達成感を感じていた自分」「自分のありたい(あるべき)姿とかけ離れている」と過去や未来と比較する思考からきています。現実問題、ワーキングマザーは自分で自由に時間を使うことに制限があるため、日々達成感を持てずに過ごしている方も多いですし、筆者自身も経験があるためその気持ちは痛いほどわかります。

しかし育児休業を取得して、2~3年は新しい自分の仕事スタイルを確立したり、新しい人生のステージに適応するために心身のエネルギーを今まで以上に使う時期。その過渡期を乗り切るには心のエネルギーの省エネのためにも、「今、できること」「今、この瞬間」に意識を集中し、コツコツと取り組むことをおすすめします。

過去を反省したり、未来に向けて目標設定やキャリアデザインすることは、自分の成長には欠かせません。しかし過去を振り返って、ステージが違う自分と比べても余計なエネルギーを使うだけです。また将来ビジョンを描いても未来に向けて身動きが取れない自分を惨めに思い、余計に自己効力感が失われる人もいます。

過去や未来への価値観を手放し、今、自分が立っている足下の幸せや役割を照らすこと、その瞬間を味わうこと、それが未来につながっていると思うと気が少しラクになりませんか?

 

■ 目の前に集中して、あとは流れに身を任せる

元プロテニス選手の松岡修造さんの語録で「後ろを見るな! 前も見るな! 今を見ろ!」という言葉があります。「今、この瞬間」に集中して、焦らずに流れに任せる……。すると結果、未来がいつのまにか切り拓けていたりすることがあります。そのうち子どもが大きくなれば、「自分のありたい姿」に近づくためにアクセルを加速することもできるようになります。

これから復職されるママさんも多いと思います。心を充電できるコツとして覚えておいてもらえると嬉しいです。

[執筆:小倉 環(キャリアカウンセラー) , 2014年12月24日]

 

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