年末年始の街のイルミネーションは光の洪水のように華やかで、ノーベル賞受賞の日本人3氏による実用的な青色発光ダイオード開発により、様々な色再現が可能に。光の世界には革命がもたらされる一方で、夜間でも煌煌とした光や、就寝前にスマホのブルーライトは脳を刺激し、交感神経から副交感神経に切り代わらずに不眠に繋がるなど、明るさを受け止める人間の感覚は心理的な影響も受けています。

LIXIL住宅研究所によれば(※1)、照明は一般的なものより暗めでも、読み書きや団らん・リラックスには問題はないとされており、効率と心地良さのポイントから改めて考えてみませんか?

 

■ 海外の光の取り入れ方

筆者が海外旅行で感じたシーンごとの「明るさ」は、目にも環境にも優しいものでした。

  • カーテン越しの光で朝は自然と目覚める
  • 夕食では揺れるキャンドルの灯りも楽しむ
  • 夜の歩道沿いのトーチ(松明)の暖かさと安心感

自然光とそれが創る色も灯りのひとつと捉え、生活時間に合わせて上手に取り入れられ、心地よく感じられました。

 

■ 画家の捉える光

旅先の美術館では、ルソーやミレーに代表されるバルビゾン派(※2)の画家達は暗い森を描いているように感じられました。それは明るさに慣れている現代人の目から見た印象にすぎません。人は光によって色や明るさを認識しているので、絵画全体のトーンは暗く落ち着いて見えても、実はそこにも光は存在しているんですね。

 

■ 時代と世代でも明るさは変化

この頃の絵画は室内で描かれる宗教画や貴人の肖像などが主で、モチーフを戸外へ求めることは画期的な試みでした。太陽光のもと描かれた庶民の日常は、灯りに関する表現方法では最先端だったのでしょう。こうした絵画からも、時代によって明るさや照明に対する人の感性は変化していることが解ります。

 

現代では、60代の人は20代と比較し3.2倍ほどの明るさが求められ(※3)、グレア(まぶしさ)に配慮して灯りを調整します。家族の年齢や環境、集う状況で明るさの基準も細かく変えてみましょう。海外の住居のように季節や時間のもたらす自然光も上手に利用し、色彩心理が創り出す光と色は、オリジナルな明るさや印象として心地良さへと繋がります。

新たな年は、住環境にも素敵な彩りを見つけられますように!

[執筆:桜井まどか(美エイジング(R)心理カウンセラー), 2014年12月30日]

 

【参考】
※1. LIXIL住宅研究所 ニュースリリース「住宅空間における照明の効果実験を実施!」2012年12月20日
※2. バルビゾン派は19世紀中頃の風景画家のグループでルビゾンに住み、フォンテンブローの森などを描いた。
※3. 山田照明株式会社のHPより「60歳の人に必要な照度はどれくらい?」