■ ひきこもり主婦が増えている?

2015年1月30日号の週刊朝日に「ひきこもり主婦 ひっそり増加中」という記事が掲載されています。この記事を執筆したジャーナリストの池上正樹氏によると、ひきこもり主婦は「潜在的にかなりの数に上るのではないかと推測できる」とあります。さらに「2010年に内閣府が公表した『ひきこもり実態調査』によるとひきこもり者は約70万人」、「それとは別の各自治体が実施した調査では40代以上の比率が3割から半数を超えている」とのことが記事に書かれています。

一般にひきこもりというと10代、20代の若者が思い浮かぶようですが、このデータを見る限り、そのイメージが大きく変わります。

母娘問題カウンセリングを行っている筆者も、ここ数年前からひきこもり主婦の存在が気になっていました。というのは、母親のことで相談に来られる娘さんの話において、母親が家に閉じこもっているケースが複数寄せられるようになっていたからです。

 

■ カウンセラー役にはならない

母親の家庭状況については家族と同居もいますが、どちらかというと離婚や死別で独り暮らしの方が多いです。また、親戚づきあいや友人、ご近所との交流もほとんどないという傾向があります。

社会との接点は唯一、娘の存在です。通常の生活をしてほしいと思うのですが、なかなかそれを聞きいれない母親。この状態がさらに悪化するのではと不安を募らせる娘。母親がひきこもっている場合、娘としてできることは、やはり話を聞いてあげることでしょう。けれども、娘自身がカウンセラー役になる必要はありません。一人で何もかも背負おうとはせず、父親や母親の兄弟姉妹、従姉妹、頼りになれそうな知人を探してみましょう。

またカウンセリングを利用する手段もあります。本当にカウンセリングを受けてほしいのは当の本人ですが、「受けたら?」と言ったところで「そんなものは必要とない」と拒絶される可能性があります。きっかけとしては「私がカウンセリングを受けてみたいのだけど、お母さんも一緒にどう?」とさりげなく誘ってみる。あるいは、出張カウンセリングで自宅に来てもらい、同席して受ける方法もあります。

ひきこもりの状態にいる母親の多くは孤独です。実の娘はそれに寄り添える存在かもしれませんが、プロの心理カウンセラーではありません。母親をサポートするための有益な情報を集めることで、自身の不安を必要以上に増大させるのは極力避けたいものです。

[執筆:真香(母娘関係改善カウンセラー), 2015年1月22日]

 

【参考】
『週刊朝日』「見えない「ひきこもり主婦」たち」2015年1月30日号, 朝日新聞出版
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