■ なぜ母親が嫉妬するのか

バレンタインの季節がやってきました。以前は女性が男性に告白するセレモニーの要素が強かったのですが、今では義理チョコや友チョコと、贈る対象が異性から同性に広がっています。一方で、娘から父親に贈るケースは昔も今も変わらないのではないでしょうか。

さて、母娘関係改善カウンセリングを行っている筆者のところには、バレンタインの頃になるとチョコがらみで母娘の相談が持ち込まれることがたまにあります。それは、娘が父親にチョコをプレゼントしようとすると母親が嫉妬する、不機嫌になるというのです。

そこには父娘の仲の良さに対しての妬みだけでなく、さらに隠された心理があります。

 

■ 厳格な父親に育てられた母親の少女時代

「チョコで父親の機嫌を取ろうとしている」「手作りチョコで父親に色目を使うのね」。

10代の頃、父親にチョコをあげようとしたら母親からいきなりこのような罵声を浴び、心が凍りついてしまったという相談者A子さん(23歳)。親孝行のつもりだったのに、まるで娼婦を見るような母親の冷たい視線が忘れられないのだそうです。

このようなタイプの母親には、共通した点があります。それは、父親に厳しく育てられ愛された思い出がないということです。気に入らないと妻や子供に怒鳴り、ときには手が出る。家族は黙って従うような家庭環境にあって、子供の中には父親を通して男性を権力の象徴として見るようになります。こうした子供時代を過ごした母親は、父親との温かい思い出がないことが娘への嫉妬につながる場合があります。

また、父親との確執があるまま自身が母親になると、夫と娘の関係に自分の男性観を重ねてしまい、歪んだ見方をしてしまうのです。たとえば、娘が父にチョコを差し出すのは、権威的なものに対して媚びるような行為に見えてしまうことも。

 

娘としては、母親の感情に振り回されず父親と仲が良ければそれが何よりです。ただ、あまりにも母親の嫉妬が煩わしいのなら、父母二人にバレンタインチョコをあげるのが無難だと言えるでしょう。

[執筆:真香(母娘関係改善カウンセラー), 2015年2月7日]