■ 母親と似たタイプの男性と結婚する娘

母娘関係改善カウンセリングを行っている筆者のところには、母親との関係で悩む娘さんが来られます。母との関係の相談がきっかけですが、そこから現在の結婚生活、夫についての相談に変わることがたびたびあります。しかし、なぜか母と娘、夫と妻の関係性が重なって見えることがあるのです。

例えば、母親の支配が強くてコントールされていると感じていた娘が、そこから逃れたいために結婚する。しかし、夫からも支配されているケースがあります。または、いつも娘に依存する母親を煩わしいと感じていたにもかかわらず、彼氏からも依存される。

母親で懲りているはずなのに、同じような人を選んでしまうのはどうしてなのでしょう。

 

■ 心の偏りが同じパターンを繰り返させる

精神科医で作家の岡田尊司氏の著書に『なぜいつも“似たような人”を好きになるのか』というタイトルの本があります。岡田氏は、恋愛や夫婦関係に悩む数多くのクライアントと接してきた経験から、人間のパーソナリティに着目します。そして、いつも同じような恋愛を繰り返してしまう理由について、「それぞれ人の心に備わっている偏りが、同じような出会いと展開を招き寄せ、同じような結末を迎えるということを繰り返していたのです」と説明しています(※1)。

母と同じタイプの男性を選んでしまう娘の心理も、これに近いものがあります。

幼い頃から母親の支配を受けて育った娘は、極端に自己肯定感が低く、また自分で物事を決められない傾向があります。「俺に任せとけ」とリードしてくれる男性が頼もしく思えるのですが、両者のバランスが崩れると、常に従うパターンができてしまい、それは母との関係に近いものになります。依存も同様で、母親から頼られてばかりいると、人のために何かすることで自分の存在価値を認めているため、男性に対しても支える側になってしまいます。

 

もしこれらの話に思い当たる点があれば、まずは自分のパーソナリティについて、またその傾向をよく見極めることです。そして、自身の心に偏りがあるのなら、バランスよくするように心がけましょう。母親のことで苦しんだ体験をいかして、付き合う相手は最高の人を選べるようにしたいものですね。

[執筆:真香(母娘関係改善カウンセラー), 2015年2月12日]

 

【参考】
※1. 岡田尊司『なぜいつも“似たような人”を好きになるのか』青春出版社、pp.33
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