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自治体で初! 「卵子凍結保存」支援は働く女性に朗報?
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自治体で初! 「卵子凍結保存」支援は働く女性に朗報?

「今はパートナーがいないけれど、いつか子どもを産みたい」「今はまだ子どもは考えられないけれど、将来欲しくなるかもしれない」。

こうした女性の想いを叶える一助といわれているのが卵子の凍結技術。先日、千葉県浦安市が少子化対策の一環として卵子凍結を軸とする「プリンセス・バンク・センター」構想を進めていることがわかり、話題になりました。

 

■ 自治体による全国初の妊活支援「プリンセス・バンク・センター」構想とは?

「プリンセス・バンク・センター」構想とは、浦安市が順天堂大浦安病院と協同で行なうもので、市内に住む20歳から35歳ごろまでの健康な女性を対象に、卵子の凍結保存費用の助成などを計画。また、技術者の人件費の一部についても市が負担するとのこと。自治体による全国初の取組みに今後の動向が注目されています。

 

■ 「卵子凍結」は働く未妊女性に朗報になるの?

そもそも卵子は大人になってから体内で製造されるのではなく、女性は生まれながらに一生分の卵子(原子卵胞)をもっています。毎月の排卵で在庫を消費するとともに、加齢によって質も低下するため妊娠しにくくなってしまいます。卵子凍結は「卵子の老化」を回避し、妊娠しやすい若い時の卵子を保存できるため、結婚や仕事などに合わせて出産時期を調整できるメリットが。アメリカではすでにフェイスブックとアップルが女性社員の卵子凍結に補助金を出しています。

一方で、大手を振って喜ぶことのできない課題や不安も。

  • 妊娠の先送りを助長しかねない
  • 将来、必ず妊娠できるわけではない(妊娠率20%以下(※1))
  • 補助があっても採卵から保管までの実費分はかなり高額(※2)
  • 高齢出産は医学的なリスクが高まる
  • 高齢育児へのさまざまな不安

卵子凍結はこれらも勘案しながら慎重に考えたいものです。

 

医療技術の進歩に加え自治体の後押しも整えば、多くの未妊女性にとって人生選択の幅が広がるはず! でもだからこそまずは「いつ、なんのために?」などを考えならざっくりとライフプランニングしてみるのも大事だと筆者は考えます。せっかくのトライが「保険」にとどまってしまうのはもったいないですから。

[執筆:渡辺さちこ]

 

【参考】
※ 『NHK NEWS WEB』「全国初 千葉県浦安市が少子化対策で卵子凍結保存費用など補助へ浦安市が卵子凍結保存計画 自治体で初」2015年2月5日
※ 浦安市「プリンセス・バンク」
※1. 日本産婦人科学会による
※2. 実施する医療施設によって金額は異なります

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