育児休業を挟んで営業職として7年の経歴を持つAさんから、転職活動についてのキャリア相談を受けました。「子どもが学齢期になるまでの数年は転勤できないことを、応募時に企業に伝えるべきでしょうか?」

2~3月は、求人が増える時期です。もっと仕事で活躍したい営業女子のアラサーなら、「今が最後の転職チャンス?!」と考え始めて行動したくなる気持ちに、きっと共感。ワーキングマザーだけでなく、「いつ結婚するかわからないし」とか、「夫婦のどちらかが転勤になったら……」と考え始めて転職にモヤモヤする女性は多いのです。

 

■ 転職願望の度合いは?

冒頭のAさんいわく、応募先は全国展開する大手企業。現在の勤務先を退職する積極的な理由はないけれども、チャレンジしてみたいのだとか。キャリアカウンセラーとして、次の2点をアドバイスしました。

  • 育児で大変な時期に、転勤せずとも新たな仕事を覚えることは大変なこと。それでもチャレンジしたい気持ちを「%」で表すと、どのくらい?
  • チャレンジ心の方が高いなら、受かるための書類・面接対策を。転勤する場合の対策を現時点で可能な限り考え、答えられるようにしておくべきです。正直な気持ちを伝えることは、残念ながらチャンスを潰す可能性が高いのです。

 

■ 共働き女性の悩みどころ

ところで、『日本経済新聞』による働く女性の意識調査(※1)によれば、夫婦のどちらかが転勤や留学になった場合、50.5%が「一方がキャリアをあきらめることもある」と回答。さらにその60%超が、「あきらめるのは妻」と回答しました。

筆者は採用面接にも携わっていますが、これまでライフイベントにより離職する女性が多かったために、企業の本音は女性従業員が働き続けることに懐疑的。それに、大手企業ならば中途入社後、最終配属先が決まるまでに時間をかける場合もあります。あなたが会社にとって必要不可欠な人材であることを企業に確信させたら、希望を考慮される可能性が、より高まるでしょう。最初からチャンスを潰しては、もったいないのです。

 

安倍政権は、2020年までに女性管理職の比率を3割にする目標を掲げました。これにより、幹部候補生として、中途採用者に占める女性の割合を戦略的に高める企業が増えているとか(※2)。積極的に転職する理由が見当たらないのなら、年齢だけを理由に転職を焦る必要はありません。マネジメントもできそうだと期待させる女性に、熱い視線が注がれそうですよ。

[執筆:五十嵐 ゆき(キャリアコンサルタント), 2015年2月16日]

 

【参考】
※1. 『日本経済新聞』2014年12月13日「もっと仕事で活躍させて」
※2. 『日本経済新聞』2014年12月13日「女性管理職増へ 中途採用広がる」

※写真:(c) Stephen Coburn / 123RF.COM、本文とは関係ありません