より良い職場環境や業務内容に、期待を膨らませた転職。それなのに……事前に聞いていた情報と違っていたと悩み、キャリア相談を利用する人は少なくありません。どのような点で入社後に「違っていた」と感じるのでしょうか。

 

■ 8割が「相違あり」

エン・ジャパン株式会社の調査(※1)によれば、転職経験者の82%が、「転職前に聞いていた企業の評判や求人内容と、転職後の実態に相違はあった」と回答。相違の高い3項目は、順に、風土・社風、昇給しにくい、教育体制が整っていないことでした。

風土・社風についての具体的なコメント例は、以下のとおりです。

「堅実に見えた社風は、裏を返せば保守的な社風であった」

「「意見がいいやすい環境」「自由な社風」の意味は広いと感じた。ただの悪口や噂話を本人の目の前で人格否定というところまで自由に発言。いじめやパワハラと感じるだけだった」

 

なるほどね。外から来た人には、比較できるもの(前職の社風など)があるため、同じものを見ていても受け止め方が異なるのですね。風土や社風の感じ方は、各々の主観によるのです。転職先を選ぶ基準に「社風」を上位に挙げる場合には、この点を心に留めておき、エージェントや面接官の言葉を鵜呑みにしないことが大切。

疑え、というわけではありません。少しでも齟齬をなくすには、面接で具体的な事例を質問し、自分の耳と頭で確認すること。職場を見学させて頂けるか、尋ねてみてもよいですね。職場にいる人々がキビキビしているか、ゆる~っとしているかぐらいは感じ取れるでしょう。ビジネス環境の変化が早い現在、社風についてはこの程度の把握で十分。これまでお会いした方々のお話から、入社後に加点していく、ぐらいの気持ちでいると職場に馴染みやすいと感じます。

 

■ 青い鳥を探していない?!

ところで、前述の調査では、「入社後に感じた相違点は、結果的に次の転職に繋がりましたか」の問いに対して、75%が「はい」と回答しています。

働くことは自己表現のひとつですから、必要以上に退職に罪悪感を持たなくていい。ただし、退職理由において、「青い鳥」を探しているかのように誤解されることは、避けたいもの。新しい職場での違いを自分が受け止められるのか、共通点を見出せるのかを考えてみて。仕事の出会いが、あなたにとって自分を見つめる機会にもなりますように。

 

[執筆:五十嵐 ゆき(キャリアコンサルタント), 2015年3月20日]

 

【参考】
エン・ジャパン株式会社 リリース「8割の転職経験者が入社後にギャップを感じたと回答。こんなはずではなかったと後悔しないためには―「エン転職コンサルタント」ユーザーアンケート集計結果」,2015年1月20日『PRTIMES』より