「消せるボールペン型」。これは、日本生産性本部が発表した今年(平成27年度)の新入社員のタイプです(※1)。書いた文字を附属のゴムによる摩擦熱で消せるペンの特徴が、今年の新入社員の特徴を彷彿とさせるのだとか。それにしても画期的なペンですね。

 

■ 今年の新入社員の特徴

前述の発表によれば、今年の新入社員の特徴は、「書き直しできる素晴らしい機能=変化に対応できる柔軟性」を備えていること。彼らは高校入学の年にリーマンショック、高校を卒業する頃に東日本大震災と、変化に対応してきた世代なのだそう。

この機能のデメリットは、熱に弱い・すぐインクが切れること。そこから転じて、熱血指導のし過ぎや酷使は早期離職につながる危険性あり、と発表は警鐘を鳴らします。

ところで早期離職といえば、大卒者の3割が入社3年以内に離職していることが、数年前から課題として指摘されています。仕事のミスマッチが原因らしいのですが、今春の新入社員もミスマッチ感を抱えているのでしょうか?

 

■ 意外に高い、愛社精神

3月30日版の『日経ビジネス』(※2)に登場した識者によれば、答えはNO。以下の特徴的な就職活動の影響か、最初から高い愛社精神で入社し、3年で辞める発想を持つ者は少ないとか。

  • デジタル情報を駆使し、徹底的に会社情報を調べた
  • それゆえ、「自ら選んだ最高の一社に入社した」感を持っている

一方、SNSが生活の一部になっている彼らにとって、「他者からの否定」は大きなダメージになるのだとか。この点が、早期離職につながる懸念になっているのかもしれません。

 

熱血指導は、時に相手を追い詰め否定することにも。“好きなものに否定される”辛さは、たやすく想像できます。また前述のとおり、彼らには“選ぶのは自分”という意識があります。良い選択のためのサポートを受けても、強要されることはほとんどなかったのです。

したがって、否定せずに本人の認識を問い、その行動のメリットを考えさせることが、育て方のコツ。彼らが育つだけでなく、あなたもさらに成長できる一石二鳥の“新人育成”。チャンスを与えられたら、ぜひ手を挙げてみて!

 

[執筆:五十嵐 ゆき(キャリアコンサルタント), 2015年4月7日]

 

【参考】
※1. 『 公益財団法人 日本生産性本部』「平成27年度新入社員のタイプは「消せるボールペン型」」2015年3月24日発表
※2. 『日経ビジネス』2015年3月30日版「2015年新人対応マニュアル~前編「ゆとり型」と「熱血型」2極化で混乱は必至」日経BP社