この春、育児休業から復帰する方々向けのセミナーでの受講生の声や人事関係の皆様からのお話で度々耳にするのが、「時短勤務せず、フルタイム復帰する人が増えた」というお話。筆者が触れている範囲での所感なので育休復帰者全体から見たマクロな視点では、実際本当に増えているのかまだわかりませんが、明らかに昨年までとは異なる気がしています。では、どういった理由でフルタイムで復帰されるのでしょうか?

 

理由1. 給与・賞与の減少を避けたい

特に復帰者のご年齢が若い方の場合、共働きとはいえ収入はそれほど高くないケースや、社内の先輩の事例から時短勤務での給与ダウンが想像以上に激しい現実の情報を得ているケース等、マネープランの面から収入ダウンを避けている。

 

理由2. 仕事の質の低下≒評価の低下≒キャリアダウンを避けたい

出産をきっかけに、仕事内容がサポート的な存在へとシフトしたまま戻ってこれなくなる、いわゆる「マミートラック」にはまることを避けている。(先輩の女性社員・メディア等の情報から、時短勤務にした後で思うように昇進できないケースを見聞きし、キャリアダウンへの警戒心が強くなっている。)

 

理由3. 保育園に入るため、やむを得ず

居住地の行政の入園審査方法にもよりますが、産前の残業時間が多かった場合、復帰後も同じ状態が想定されるため「延長保育」を利用する前提で保育所に申込むケースがあります。この場合はポイントが付き、優先的に入園できますが、復帰後でもその働き方を変えられず時短勤務にはできませんので、入園するためにやむを得ずフルタイム復帰するケース。

 

筆者が復帰者と直接お話している所感では、フルタイムを選んだものの、子どもとの時間が減ることや、やっていけるかどうか不安といった声も多く、必ずしも自信満々でフルタイムを選択しているようには見えません。育休復帰者セミナーでは、フルタイムの勤務と、通勤、家事育児の時間配分をおうかがいすると、現実的には難しいのでは? と思われるケースも見られ、復帰後見直しを迫られそうな方もいます。

この4月、慣らし保育が終わって仕事と子育ての両立生活を実践してみて無理がある場合は、自分意外の家族の協力やシッター・家事代行等の利用も検討するなど、様子を見ながら検討しましょう!

[執筆:藤崎 葉子(キャリア アドバイザー), 2015年4月11日]

 

【参考】
※ 児童福祉法では「保育所」の表記が本来の名称ですが、一般的ではないため、本記事では「保育園」と記載しています。
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