4月に入り、新しい出会いの機会が増えてきています。その中から、素晴らしいビジネスパートナーになったり、心を通わせる大切な仲間になったりする人もいるかもしれません。この時期、短期間で多くの人に出会うがゆえに、残念ながら一人ひとりがあまり記憶に残らないということもありますね。○○会社の営業の人とか、○○ちゃんのママなどと覚えるのも良いですが、相手を覚えるのに何か工夫ができないか考えてみました。

 

■ 個人的な体験と結びついた「エピソード記憶」

カナダ人心理学者のE・ダルヴィングは、1972年に人間の記憶を、「意味記憶」と「エピソード記憶」という2種類の記憶に分類した記憶理論を発表しました。

「意味記憶」というのは、知識として言葉や事実を記憶すること。繰り返すことで記憶を定着させるのです。一方の「エピソード記憶」とは、個人的な体験に結びつけて記憶すること。例えば、フランス・パリについて、「フランスの首都で日本との時差は7時間」と覚えるのが意味記憶、「旅行で行ったときの場所や、その時何を食べたのかという体験と共に記憶する」のがエピソード記憶です。エピソード記憶は、楽しかった、美味しかったなどの感情も伴うので、忘れにくく、思い出しやすいという特徴もあります。

 

■ 相手の名前を覚える時の工夫は?

出会った相手の名前を覚えるというのは、記号を覚えるのと同じ「意味記憶」なのですが、そこに「エピソード記憶」を絡めると、思い出しやすく忘れにくくなります。出会った時の第一印象とか、表情や声の感じ、あるいはどこでどんな話をしたのか等。あなたの個人的な体験と共に覚えると良いのです。

例えば筆者のように40代にもなると、残念ながら若い時のような記憶力はないかもしれません。しかも職場で出会うスーツ着用の男性は、申し訳ありませんが、皆同じように見えてしまうこともありますよね。であれば、少しでも「エピソード記憶」をうまく利用してみましょう。忘れてはいけない人に対しては、あなたの体験や感情と一緒に覚えるという工夫をしてみてはいかがでしょうか。

[執筆:高橋 雅美(心理カウンセラー), 2015年4月25日]

 

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