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想定外の出来事を味方につける「柔軟性」の大切さ
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想定外の出来事を味方につける「柔軟性」の大切さ

新入社員が入り、まもなく1ヶ月になりますね。日本生産性本部が毎年行っている新入社員意識調査によると、平成27年度の新入社員のタイプは「消せるボールペン型」(※1)。消せるボールペンの特徴である「書き直しができる機能」を、変化に対応できる柔軟性にあてはめた命名とのこと。今回の記事では、この「柔軟性」について考えてみます。

 

■ 入社理由は「やりたい仕事」ができるから

同じく日本生産性本部が昨年6月に行った調査(※2)によると、新入社員の会社選択の理由の1位が「自分の能力・個性が生かせる(31%)」、2位が「仕事がおもしろい(21%)」となっています。大学の就職指導などでも「やりたい仕事」とは何か、について精いっぱい考えてきたであろう彼ららしい回答だと思います。会社の将来性を考えて、という回答がここ数年の傾向として低下していることからも、仕事内容・仕事を通じて自分自身を成長させたい、という考えの方が増えてきているように思われます。

エン・ジャパンが行った調査(※3)では、企業が認識している入社3年以内の早期離職の理由として「個人特性と仕事内容とのミスマッチ(73.7%)」が1位になっています。これらの調査から、“「やりたい仕事」につけると思って入社したが、思ったような仕事ができないから辞める”という本音が見えるように思います。

 

■ キャリアは偶然つくられる

筆者も若手社員からの転職相談を受ける機会があります。「マーケティングがやりたくて入ったのに、配属先は人事だった。もうやめたい」といったご相談が徐々に増えてくる季節です。気持ちはよくわかりますが、少し視点を変えて考えることをお勧めしています。

米国スタンフォード大学教授で「その幸運は偶然ではないんです!」の著者でもあるクルンボルツ氏は、Planned Happenstance Theory (プランド・ハプンスタンス・セオリー。つまり計画された偶然理論)を提唱しており、その中で「キャリアの8割は偶然がもたらす」と述べています。 もちろん、ただ偶然を待つだけの消極的な態度ではダメなことは言うまでもありません。たとえ自分自身にとって想定外であったとしても、その出来事を糧にして成長できるかどうかは、その人の心構え次第で変わるのだと思います。これこそが、先述の「柔軟性」につながるのでしょう。この柔軟性をもつことで、思わぬチャンスをつかめるかもしれませんよ。

[執筆:浅賀 桃子(メンタル心理・キャリアカウンセラー)]

 

【参考】
※1 『日本生産性本部』「新入社員意識調査・特徴とタイプ」
※2 『日本生産性本部』「平成26年度「新入社員働くことの意識」調査」
※3 『エン・ジャパン』「2013年度新卒採用 就職・採用活動 4月度調査報告」

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