筆者がカウンセリングを行う中で、「ストレスを抱えているときは、作り笑顔でもいいので笑ってみましょう」とアドバイスする機会があります。リラックスしているときに発せられることが明らかになっている「α波」という脳波。このα波は心からの笑顔でないときでも出て、ストレスを軽減する効果があるとされています。さらに、声を出して笑うことの効用および怒りの悪影響についても、研究によって明らかになっています。

今回は、この研究結果を中心にご紹介していきます。

 

■ 声を出して笑うことの効用

笑みを浮かべるだけでもストレス軽減効果はあるのですが、さらに声を出して笑うことの効用について、米国テキサス大学が研究報告をあげています。報告によると、人は声を出して笑うことで、血管が拡張し、一酸化窒素が放出されます。このことが、心血管の病気を引き起こすリスクを軽減することにつながるのだそうです。

また、エンドロフィンという成分が放出されることで、気分があがり、ストレス性の化学物質も軽減されるとのことです。これらの効用によって、人間関係改善、深刻な状況への対処力をあげることにも寄与するとも書かれています(※1)。

 

■ 怒りが及ぼす体内への悪影響

一方で報告では「怒り」の悪影響にも触れており、激しい怒りを経験すると、怒りから2時間後に心臓発作を起こすリスクが通常の8.5倍にものぼるという調査結果もあるそうです。別の調査では、怒りを爆発させた2時間後の「Onset Anger Scale」(怒りの度合いを表す指標)を集計したところ、心筋梗塞は約4倍、不整脈が2~3倍など、軒並み上昇していることを明らかにしています(※2)。

 

これまでみてきたように、笑顔によってα波をだしリラックスし、さらに声を出して笑うことで病気のリスクも下げ、人間関係改善にもつながります。

『PEANUTS』の1982年12月5日作(※3)でも、「笑うことで私の周りのみんなも幸せになるのよ」というセリフがあります。忙しくてつい怖い顔で仕事をしているあなた、笑いを忘れずに。

[執筆:浅賀 桃子(メンタル心理・キャリアカウンセラー),2015年5月6日 ]

 

【参考】
※1. 『The UTMB Newsroom』「LOL-Laughing Out Loud」2015年3月31日
※2.『European Heart Journal』「Outbursts of anger as a trigger of acute cardiovascular events: a systematic review and meta-analysis」
※3. 『PEANUTS Comic Strip』1982年12月5日
※写真:(c) Dayna More / 123RF.COM、本文とは関係ありません