俳人の正岡子規はこんな面白い句を詠んでいます。

「萩咲て家賃五円の家に住む」(明治30年)

当時の家賃5円って高いんでしょうか?安いんでしょうか? 当時の物価を知りながら、今のあなたの家賃、その他のお金の使い方が、収入と比較してどうなのか、考えてみましょう。

 

■1.明治30年の月給

正岡子規が上記の句を詠んだ明治30年、小学校教師の初任給は8円でした。家賃相場は1円にも満たない金額です(※1)。

これに対して、子規は月給40円をもらい、5円の家賃でした。結構な高給取りで、いいところに住んでいたことがわかります。子規が住んでいたのは愛媛県松山市であったことを考えると、さらにその凄さがわかります。ただし、当時は今よりも学歴格差が大きく、帝大を出て松山中学の教師をやった夏目漱石は月給80円をもらっていたようです。
■2.明治30年の物価

物価はどれほどだったのでしょうか。木村屋のアンパンが1銭、うどん・そばが2銭、ビール大瓶19銭、国鉄初乗り5銭、自転車200円、グランドピアノ750円となっています。

現在の大卒の初任給は約20万円ですから、明治30年の25,000倍ほどです。ざっくりと上記の物価を現在の物価に置き換えてみると、アンパン250円、うどん・そば500円、ビール3,800円、国鉄約1,200円、自転車500万円、グランドピアノ約1,900万円、となります。

生きることに直結している食料は現在の価値とそれほど変わりませんが、ぜいたく品は今よりも高額に設定されていたようですね。

 

■3.あなたの支出割合は?

では、あなたの収入と、お金の使い方はいかがでしょうか? 家賃は毎月定期的に出ていく固定費です。この金額があまりにも大きいとあなたの生活を圧迫してしまいます。会社を辞めたとき、病気になったとき、などを考えて、自分なりの家賃限度額を設定しましょう。
食品、生活必需品、ぜいたく品についても、どのくらいの割合なのか一度計算して、果たしてその割合でいいのか考えてみてください。
いかがでしたでしょうか。時には他の人と比較することで、自分の基準を見直すことができます。自分にとって適切なバランスでお金を使っていきましょう。

[ 執筆:阿部 理恵(ファイナンシャルプランナー&カウンセラー), 2015年5月10日 ]

 

【参考】
※1. 週刊朝日(1987)『値段の明治大正昭和風俗史』朝日新聞社