あなたは、有給休暇(以下、有休と表記)を心おきなく取得できていますか? 消化率100%に近い欧米諸国に比べて、有休取得率が48.8%と低い日本。そんな状況を改善すべく厚生労働省は、2016年4月から社員に年5日分のを取得させる義務を企業に課す方針で、労働基準法改正案の調整が進められています。はたして、有休は本当に取りやすくなるのでしょうか?

 

■ いつ休むかを企業が決める?

新しい制度では、一定の条件を満たす従業員に、毎年時季を指定して年「5日」の有給休暇を取らせることが企業の義務となるそうです。

現在のルールでは、労働者が自ら休みたい日を指定して、休暇取得を請求する仕組み。ですが新ルールでは、一定の日数について「有給休暇をいつにするか」を企業に指定させることにより、労働者に休暇を確実に取得させることを目指すとのこと。今まででも有休が取りやすかった人にとっては、デメリットのように思えてしまいます。

ただ、「義務化」といっても、これまでのように社員がすでに5日以上の有休を取得している場合には、企業の義務は発生せず、例えば社員が自ら2日の有休を取得している場合に、年5日に満たない部分(この場合3日)を取得させる義務を企業側が負うというのが新ルールの趣旨です。ですので、休みたくても休めなかった人には朗報と言えるでしょう。

 

■ 上手に有休を取るには?

とはいえ、5日分の有休については、企業側が時期の指定ができるようになるということなので、働く人にとっては若干の不安が残ります。法案では、努力義務にとどまりますが、企業側は有休取得の時期について労働者の意思を尊重するよう求めていることで考慮の余地がないわけではありません。きちんと上司と話し合って、仕事に支障が無いよう上手に休むことがポイントになりそうです。

 

働くママにとっては、子どもの年間行事と照らし合わせ、有休を取りたい時期を早目に上司や職場メンバーと話し合っておくとよいでしょう。ただでさえ、子どもの急な発熱などで有休が飛ぶように消えてしまうのは辛いところ。ですが、家族の都合とはいえ子どものいる方ばかりが有休をたくさん消化できるのも不公平です。現時点では家庭の事情が無いという方にも平等に休む機会があり、チーム全員のワークライフバランスが取れるようにしたいものですね。

このルールの実施をきっかけに、チームメンバーの働き方・休み方を考え直すきっかけとなり、お互いの理解が深まると素晴らしいのではないでしょうか。

[執筆:藤崎 葉子(キャリア アドバイザー), 2015年6月1日]

 

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