■ 不安が高まると髪の毛を抜く

人には身体に関する癖というのがあります。たとえば貧乏ゆすりとか、爪を噛むとか。緊張感が高まった時、あるいはイライラしている時など無意識に行っていることがあります。

髪の毛をいじる癖もありますが、指先で毛先をつまむことで気持ちの安定をはかっている場合もあります。身体の何かしらの癖は、場合によっては背後に心の問題が隠れている可能性もあります。その中の一つ、精神疾患の一つである抜毛症は髪の毛を抜く行為で、正確なデータ元はわからないのですが有病率は人口の0.5~2%ともいわれています。これはストレスなどで不安感が高まったときなど、無意識のうちに毛を1本1本抜いてしまい、頭部の一部が薄くなることもあります。また抜毛症患者の割合は、男性より女性の方が圧倒的に多いことが指摘されています。

母娘関係改善カウンセラーの筆者のところにも、抜毛症の傾向がある、またはその家族が来られることもあります。

 

■ 髪の毛を抜く痛みが快感に

都内で両親、弟と暮らすC子さん(25歳)は、中学生の頃からテストが近づきストレスが高まると毛を抜くようになりましたが、いけないことだという認識もないまま成長し社会人になりました。仕事は面白く充実した日を送っていましたが、何かと干渉してくる母親とぶつかり、イライラして頻繁に毛を抜くようになっていました。

母親の相談でカウンセリングに来られたC子さんでしたが、まさか髪の毛を抜く癖が心の悩みと関係していたとは、全く気付いていなかったそうです。

こうしたケースでは、自分が抜毛症であると認識し何がきっかけ(C子さんの場合は母親の干渉など)で行為が始まるのか理解するようにします。それがわかると、緊張やイライラが高まったとき、髪の毛に手が伸びる行動パターンに気づき抑えられるようになります。

 

身体と心は密接なつながりがあります。頭ではストレスの対象を認識していなくても、心の方でキャッチしてそれが無意識に行われることがあります。大事なのは、身体の特有な癖に気づき、程度がひどくなる前に早めに対処することです。

[ 執筆:真香(母娘関係改善カウンセラー), 2015年6月1日]

 

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