日本では結婚する際、夫婦は同じ姓にするということが民法で定められています。厚生労働省の人口動態調査 (※1)によると、妻が夫の姓に変えるケースが96.2%と圧倒的多数。けれど、女性も結婚して働き続けることが当たり前になった今、職場で旧姓を使い続けるケースや、SNSを旧姓で登録するケースも目立ちます。

 

■働く既婚女性は旧姓、新姓をどう使っている?

オウチーノ総研が2013年に実施したアンケート(※2)によると、職場では旧姓で通す女性が年々増えつつあるようです。その理由としては、「新姓は呼ばれ慣れていないから」、「浸透している名前で仕事を続けるほうが社内外にとって楽だと思ったから」、「名刺を新しくするのが面倒」など。

年代別に見ると、20代が最も旧姓の割合が高く、24.4%と約4人に1人。30代も19.0%と高い傾向にありますが、結婚後に転職し新しい職場では新姓を使うといった声もあり20代よりポイントを下げています。

 

■ 旧姓使用には混乱や面倒も…

日本経済新聞が今年行なった調査(※3)によると、職場で旧姓を使っている人の中には「2つの名前を使い分けるのが面倒」など不便を感じている人も4割強いることがわかりました。旧姓はあくまでも通称でしかなく、人事書類や給与明細などは新姓という場合も多く、混乱もあるようです。

 

■働く既婚女性「選択的夫婦別姓制度」に賛成が77%

今年2月、夫婦別姓を認めないことが憲法違反にあたるかどうかについて、最高裁が判断することとなりました。夫婦が望む場合、結婚後もそれぞれの姓を名乗ることができる「選択的夫婦別姓」の導入が審議されています。

日本経済新聞の同アンケートでは、働く既婚女性の77%が「選択的夫婦別姓」に賛成と回答。仮に施行されても「すでに同姓にしているので別姓には変えない」が約半数を占めているものの、面倒や混乱を経験しているだけあってか制度導入には前向きかつ好意的な姿勢が伺えます。
法務省が今年2月に、企業の既婚女性役員の登記簿について旧姓も併記できるよう改正しましたが、このように時代の変化や声に合わせて制度も見直し、検討されています。夫婦別姓については「名字が違うと家族の結束が弱くなる」、「子どものことを考えると賛成できない」などの意見も根強くあるのが事実。家族のありかたを考えるきっかけにもなりそうなこの話題、みなさんはどう考えますか?

[執筆:渡辺さちこ, 2015年6月16日]

 

【参考】
※1.厚生労働省の人口動態調査(2013年)
※2.オウチーノ総研 「既婚女性の「新姓・旧姓の使用」に関する実態調査」2013年9月30日
※3.『日本経済新聞』「選択的夫婦別姓、働く既婚女性は77%賛成 本社調査」2015年3月7日、日本経済新聞社がクロス・マーケティングに依頼しインターネットで調査(全国の20~50代の働く既婚女性1,000人)